要点: 子どもの看病は「急性期(症状が強い時期)」と「回復期」の2段階に分けて考えると整理しやすいです。どの病気でも共通して観察すべきポイントは「呼吸・水分とおしっこ・機嫌・顔色・睡眠」の5つ。受診を迷うときは #8000 へ、ぐったり・呼吸が苦しそう・水分が取れないときはすぐに受診してください。
医療情報について: このページは家庭でできる看病の一般的な情報を整理したものです。診断・治療・薬の使用判断の代わりにはなりません。
呼吸が苦しそう、ぐったりしている、水分が全く取れない、生後3か月未満の発熱など心配なサインがある場合は、すぐに119番・救急受診または #8000(子ども医療電話相談) へ連絡してください。
子どもが病気になったとき、「今なにをしてあげればいい?」と迷う場面は多いですよね。病気の種類ごとに細かく覚えようとすると大変ですが、看病には共通の考え方があります。一緒に整理しましょう。
看病の基本——「急性期」と「回復期」の2段階で考える
看病の流れは、病気の種類にかかわらず「急性期(症状が強い時期)」と「回復期(症状が落ち着いてきた時期)」の2段階で整理すると考えやすくなります。
急性期(症状が強い時期)の看病
発熱・嘔吐・咳などの症状が強い時期は、「治すこと」より「悪化のサインを見逃さないこと」が中心になります。
- 安静と睡眠:無理に遊ばせず、眠れる環境を整えます
- 水分補給:一度にたくさんではなく、少量ずつこまめに。経口補水液が適しています
- 食事は無理しない:食欲がないときは水分を優先。1〜2日食事が少なくても体は大丈夫です
- 内服は医師の指示どおりに:自己判断で量や回数を変えないことが大切です
回復期(症状が落ち着いてきた時期)の看病
熱が下がった、嘔吐が止まった——ホッとしますが、ここで急に普段の生活に戻すとぶり返すことがあります。
- 食事は段階的に:消化のよいものから少しずつ戻します(おかゆ→軟飯→普通食の順が目安)
- 登園・登校は基準を確認:感染症ごとに登園・登校基準が定められています。「熱が下がったから明日から大丈夫」ではなく、施設の基準を確認しましょう
- 体力の回復を待つ:症状が消えても数日は疲れやすい状態が続きます。無理をさせないことが早い回復につながります
どの病気でも共通する観察ポイント5つ
病棟で看護師が必ず確認しているポイントは、おうちでもそのまま使えます。「熱の数字」よりも、この5つで子どもの状態を判断してください。
- 呼吸:苦しそうではないか、肩で息をしていないか、呼吸が速くないか
- 水分とおしっこ:飲めているか、おしっこの回数がいつも通りか(目安:半日に1回以上)
- 機嫌と活気:あやして笑うか、ぐったりしていないか、呼んだら反応するか
- 顔色:青白くないか、唇の色はいつも通りか
- 睡眠:眠れているか(眠れないほどつらそうではないか)
気づいたことをメモしておくと、受診時に正確に伝えられます。「いつから」「どんな様子か」「水分はどのくらい取れているか」を記録しておくと医師への説明がスムーズです。
こんなときは受診してください
次のサインがあるときは、様子見を続けず受診してください。
- 呼吸が苦しそう・顔色や唇の色が悪い・ぐったりして反応が弱い → 夜間でもすぐに受診(迷わず119番も)
- 水分が取れない・半日おしっこが出ていない・嘔吐や下痢を繰り返す
- 発熱が3日以上続く・いったん下がった熱がまた上がった
- 生後3か月未満の発熱は、原則すぐに受診してください
受診を迷うときは #8000(子ども医療電話相談) へ。看護師・医師が24時間(地域によって時間帯が異なります)対応しています。
主な感染症の看病ガイド
感染症ごとの詳しい看病の方法は、それぞれの記事で解説しています。気になる症状の記事を確認してください。
発熱・かぜ症状
- 家庭での基本は「水分補給・安静・解熱剤の適切な使用」です
- 解熱剤は38.5℃以上でぐったりしているときを目安に使用します(使用間隔は4〜6時間以上)
- 熱が高くても機嫌がよく水分が取れているなら、すぐに解熱剤を使わなくて大丈夫です
胃腸炎(嘔吐・下痢)
- 嘔吐後は15〜20分待ち、スプーン1杯から少量ずつ経口補水液を試します
- 詳しくは → 子どもの胃腸炎の看病と感染予防のコツ
RSウイルス・気管支炎
- 鼻水・咳・発熱が主症状。呼吸の状態(ゼコゼコ・肩で息)を特に注意して観察します
- 詳しくは → RSウイルス 症状と家庭ケアガイド
夜間の咳
- 部屋の乾燥・気温差・姿勢が原因になることが多いです
- 詳しくは → 子どもの夜の咳ケアガイド
薬の飲ませ方——困ったときのヒント
薬を嫌がるお子さんへの対応は、保護者からの相談でとても多いテーマです。基本的な考え方を整理します。
- 少量の水や食品に混ぜてよい薬・混ぜてはいけない薬があります。薬を処方された際に薬剤師または医師に確認してください
- 母乳やミルクに混ぜるのは、ミルク嫌いにつながる可能性があるため原則NGとされています
- 座薬の使い方・保管方法についても処方時に確認しておくと安心です
- 詳しくは → 子どもへの薬の飲ませ方ガイド
【看病中の受診判断チェック】
- 🚨 今すぐ救急受診(119番)
- 呼吸が苦しそう・肩で息をしている・唇が紫色
- ぐったりして反応が弱い・呼んでも反応しない
- けいれんが起きた・または止まらない
- 生後3か月未満の発熱
- ⚠️ 今夜・できるだけ早く受診
- 水分が全く取れず、半日以上おしっこが出ていない
- 発熱が続き、ぐったりしている(機嫌が著しく悪い)
- 嘔吐・下痢が繰り返されて水分補給ができない
- 📅 翌日・次の受診日に相談
- 発熱が3日以上続く(38℃前後でも元気はある)
- いったん下がった熱がまた上がった
- 症状は軽いが続いている
迷ったら #8000 へ。「受診すべきか」を看護師・医師に相談できます。
まろんの臨床メモ: 病棟で保護者から「体温計の数字だけ見ていた」という声をよく聞きます。熱の数字より「子どもの顔色・機嫌・水分状態」のほうが、状態を判断するうえでずっと大切な情報です。「38℃あるけど走り回っている」なら急がなくてよいことが多く、「37.5℃だけどぐったりしている」なら早めに動いたほうがよいケースもあります。
よくある質問
熱が出たらすぐに解熱剤を使うべき?
日本小児科学会は、発熱そのものが感染と戦う体の反応であることを踏まえ、「38.5℃以上でぐったりしているとき」が解熱剤使用の目安としています。熱が高くても機嫌がよく水分が取れているなら、すぐに使わなくて大丈夫です。解熱剤の使用間隔(4〜6時間以上)を守り、処方された薬を正しく使いましょう。
受診時に何を伝えればいい?
①いつから症状が始まったか ②体温と測った時間 ③嘔吐・下痢の回数と量 ④水分がどのくらい取れているか ⑤最後におしっこが出た時間 ⑥ほかに気になる症状——をメモしておくと医師に伝えやすいです。
保育園の登園基準はどこで確認できる?
感染症ごとの登園基準は厚生労働省の「保育所における感染症対策ガイドライン」に記載されています。施設によってもルールが異なるため、事前に保育園・幼稚園に確認しておくと安心です。
#8000 はどんなときに使える?
夜間や休日に「受診すべきかどうか」を判断したいとき、子どもの症状について相談したいときに利用できます。看護師・医師が対応します。地域によって対応時間が異なるため、あらかじめ確認しておきましょう(厚生労働省のサイトで各都道府県の時間帯を確認できます)。


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