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子どもの熱性けいれん|家庭での対応と救急車を呼ぶ目安を小児科看護師が解説

子どもの熱性けいれん|家庭での対応と救急車を呼ぶ目安を小児科看護師が解説 症状とケア

目の前で、我が子の体が突然ガクガクと震えだす。白目をむいて、呼びかけても反応がない——。あの数十秒、頭が真っ白になりますよね。「どうしよう」「死んでしまうんじゃないか」、そんな恐怖でいっぱいになると思います。

わかります。私自身、看護師として病棟で何度もけいれんのお子さんに対応してきましたが、それでも我が子のこととなると話は別。親としては、本当に怖いものです。

でも、まず知っておいてほしいことがあります。熱性けいれんの多くは、数分以内に自然におさまり、後遺症を残さないと言われています。大切なのは「あわてず、安全を確保して、様子を見ること」、そして「救急車を呼ぶ目安を知っておくこと」。この記事で、一緒に整理していきますね。

医療情報について: このページは、家庭で確認しやすい一般的な情報を、学会ガイドラインに沿って整理したものです。私は看護師であり、医師ではありません。診断・治療の代わりにはなりません。

けいれんが5分以上続く/短い間隔で繰り返す/おさまっても意識が戻らない/呼吸がおかしい・唇や顔色が紫っぽい(チアノーゼ)/左右で動きが違う/初めてのけいれん——こうしたときは、ためらわず119番へ。判断に迷うときは、地域の子ども医療電話相談 #8000 にも相談できます。

要点: 熱性けいれんは主に生後6か月〜5歳に、発熱に伴って起きる発作です。家庭での対応は4つ。①あわてず時間を見る(スマホのタイマーでOK)、②横向きに寝かせて吐いたもので詰まらないように、③口に物を入れない・押さえつけない・揺さぶらない、④けいれんの様子(持続時間・左右差・目の向き・顔色・おさまった後の意識)を覚えておく。5分以上続く・繰り返す・意識が戻らない・呼吸がおかしいときは迷わず119番。多くは数分でおさまり、9割以上はてんかんには移行しないと言われています。

熱性けいれんって何?何歳ごろに起きるの?

熱性けいれんは、主に生後6か月から5歳ごろまでの子どもが、発熱に伴って起こす発作のことです。 日本の子どもの7〜9%ほどが経験するとされ、けっして珍しいものではありません(熱性けいれん(熱性発作)診療ガイドライン2023/日本小児神経学会)。

発熱で脳が一時的に刺激されやすくなることで起きると考えられていますが、髄膜炎や脳炎・脳症、てんかんなど「ほかにはっきりした原因がある発作」は、熱性けいれんとは区別されます。だからこそ、初めてのときや様子がいつもと違うときは、受診して確認してもらうことが大切なんですね。

「熱性発作」って呼び方も見るけど同じもの?

はい、同じものを指します。2023年に改訂された学会のガイドラインでは、「熱性けいれん(熱性発作)」という呼び方が使われるようになりました。ガクガクする「けいれん」だけでなく、力が抜けたり意識だけがなくなったりするタイプも含むため、より広い「発作(発熱時の発作)」という言葉が併記されています。呼び方が違っても、対応の基本は変わりませんので安心してくださいね。

「単純型」と「複雑型」って何が違うの?

ざっくり言うと、けいれんが「短く・左右対称で・1回だけ」なら単純型、「長い・体の一部だけ/左右差がある・くり返す」なら複雑型と呼ばれます。 熱性けいれんの多く(およそ8割)は、心配の少ない単純型と言われています。

ガイドライン2023では、おおよそ次のように整理されています(ガイドライン2023に基づく解説)。

  • 単純型: けいれんが15分以内におさまる/24時間以内に1回だけ/左右対称の全身のけいれん
  • 複雑型: 15分以上続く/体の一部だけ・左右差がある(焦点性)/24時間以内にくり返す

ただ、これはあとから医師が判断する分類です。発作の最中に親御さんが見分ける必要はありません。「何分続いたか」「左右差はあったか」を覚えておくこと——それが受診時にとても役立ちます。次の章で、その見方をお伝えしますね。

けいれんが起きたら、家でどうすればいい?

まず深呼吸。あわてず、安全を確保して、時間とようすを見る——これが基本です。 怖くて当然ですが、ほとんどの発作は数分でおさまります。やることと、やってはいけないことを順番に見ていきましょう。

やること——①時間 ②横向き ③観察

時計やスマホで「始まった時刻」を見る。 5分という目安を判断するために、いちばん大切な行動です。タイマーを押すだけでかまいません。

横向きに寝かせる。 けいれん中は吐くことがあり、あおむけだと吐いたものがのどに詰まる心配があります。顔と体を横に向け、首元のボタンやスタイをゆるめてあげてください。

様子を覚えておく。 「手足の突っ張り方」「左右で動きが違わないか」「目はどちらを向いているか」「唇や顔色」「おさまったあと、呼びかけに反応が戻るか」。動画を撮れる余裕があれば、撮っておくと受診時にとても役立ちます。

やってはいけないこと——口に物・押さえつけ・揺さぶり

  • 口に物を入れない。 「舌を噛まないように」と割り箸やタオル、指を入れるのは絶対にやめてください。歯が折れたり、入れた物や指でかえって窒息・けがの危険があります。けいれんで舌を飲み込むことはありません。
  • 体を強く押さえつけない・揺さぶらない。 動きを無理に止めようとせず、ぶつかると危ないものだけ周りからどけてあげましょう。
  • 大声で揺り起こそうとしない。 刺激はかえって逆効果のことがあります。

草加八潮消防組合/小児科医によるホームケア解説ほか)

救急車(119番)を呼ぶのはどんなとき?

次のいずれかに当てはまったら、ためらわず119番を呼んでください。 「大げさかな」と迷う気持ち、よくわかります。でも、これらは救急で診てもらうべきサインです。遠慮はいりません。

【熱性けいれん 受診判断チェック】

  • 🚨 今すぐ119番(救急車)
    • けいれんが5分以上続いている
    • けいれんを短い間隔でくり返す(いったん止まってもまた始まる)
    • けいれんがおさまっても意識が戻らない・呼びかけに反応がない
    • 呼吸がおかしい/止まっている/唇や顔色が紫っぽい(チアノーゼ)
    • 体の左右で動きが明らかに違う、体の一部だけがけいれんしている
    • 生後6か月未満でのけいれん、または5歳を過ぎて初めてのけいれん(年齢が定型から外れる場合)
  • ⚠️ 早めに受診(おさまっても当日中に)
    • 初めての熱性けいれん(短くおさまっても、一度は受診を)
    • けいれんは止まったが、いつもと様子が違う・ぐったりしている・きげんが戻らない
    • 激しい頭痛や繰り返す嘔吐、強い首のつっぱりを伴う
  • 📅 様子を見てよい/通常受診で相談
    • 数分以内におさまり、その後しっかり意識が戻って機嫌も戻っている(過去にも経験があり、今回も同様)
    • 再発予防や予防坐薬について、次回受診で相談したい

迷ったら #8000(子ども医療電話相談) へ。「これくらいで呼んでいいのかな」とためらわなくて大丈夫です。

特に大切なのが、「5分以上続くとき」。ガイドライン2023では、5分以上続く発作は薬で止める必要が出てくる状態とされ、救急車を要請するよう示されています(ガイドライン2023に基づく解説)。多くは5分以内におさまるので、まずは落ち着いて時間を見てくださいね。

クセになる?後遺症は残る?てんかんになるの?

結論から言うと、熱性けいれんの多くは後遺症を残さず、9割以上の子はてんかんには移行しないと言われています。 必要以上に心配しすぎなくて大丈夫です。

とはいえ、気になる点を正直にお伝えします。

  • 再発について: 一度起こした子のうち、3人に1人くらいが2回以上くり返すとされています。とくに初めてが早い月齢だったり、ご家族に熱性けいれんの経験がある場合は、もう一度起きることがあります。
  • てんかんについて: 将来てんかんに移行するのはごく一部(数%程度)と報告されています。単純型では脳に後遺症は残らないとされ、ほとんどの子は心配いりません。複雑型などでは、念のため医師が脳波などを検討することがあります。

「クセになるから怖い」というより、「また起きても、対応の仕方を知っていれば落ち着いて向き合える」。そう受け止めてもらえたらと思います。

熱性けいれんは予防できるの?

くり返すタイプの一部では、医師の判断で発熱時に使う「けいれん予防の坐薬(ジアゼパム坐剤)」が処方されることがあります。 ただし、これは誰にでも使うものではありません。

1回だけの単純型では、予防のお薬は基本的に使わないことが多いです。何度もくり返す場合や複雑型などで、医師が必要と判断したときに、発熱の早い段階で使うよう指示されることがあります。使い方(何度の熱で・何時間あけて)は処方時の指示が最優先なので、自己判断で使ったり、逆に怖くて使わなかったりせず、かかりつけ医に確認してくださいね。

なお、「解熱剤を使うとけいれんを予防できる」とよく聞かれますが、解熱剤で熱性けいれんそのものを防げるとは限らないとされています。解熱剤はあくまで「つらさをやわらげる」ものと考え、使い方は医師・薬剤師に相談しましょう。

まろんの臨床メモ: 病棟でけいれんのお子さんを受け持つとき、私たちが必ず記録するのが「始まった時刻・止まった時刻(=持続時間)」「左右差や目の向き」「発作のあと、どのくらいで意識が戻ったか」です。これは医師が単純型か複雑型かを見極め、追加の検査が必要かを判断する大事な手がかりになるから。ご家庭でも同じで、完璧な観察でなくて大丈夫。「だいたい何分」「右だけ/全身」「終わったらすぐ泣いた/しばらくぼんやり」——このメモや、可能なら動画が、受診のときにお子さんを守る材料になります。

受診のとき、何を伝えればいい?

「いつ・何分・どんなふうに・そのあとどうだったか」をメモで伝えると、診察がスムーズです。 動揺していて当然なので、思い出せる範囲でかまいません。

  • 始まった時刻と、続いた時間(だいたいで可)
  • 体ぜんぶか、一部だけか/左右差はあったか
  • 目はどこを向いていたか、顔色・唇の色
  • 発熱に気づいたのはいつか、何度くらいか
  • けいれんがおさまったあと、どのくらいで反応が戻ったか
  • 今までに熱性けいれんやてんかんを起こしたことがあるか、ご家族にあるか

スマホのメモや、撮れた動画を見せるだけでも十分です。

まとめ — 怖いけれど、知っていれば落ち着ける

我が子のけいれんは、何度経験しても怖いものです。あの数分は、本当に長く感じますよね。

でも、思い出してください。多くは数分でおさまり、9割以上はてんかんに移行しないと言われています。家庭でやることは——あわてず時間を見て、横向きにして、口に物を入れず、様子を覚えておく。そして5分以上・繰り返す・意識が戻らない・呼吸がおかしいときは迷わず119番

知っておくだけで、いざというとき手が動きます。一人で抱え込まず、迷ったら#8000やかかりつけ医に頼ってくださいね。あなたは十分がんばっています。

熱性けいれんで救急車を呼んでもいいですか?

はい。5分以上続く、短い間隔で繰り返す、おさまっても意識が戻らない、呼吸がおかしい・顔色や唇が紫っぽいといったときは、迷わず119番を呼んで大丈夫です。判断に迷うときは#8000にも相談できます。

けいれん中、舌を噛まないように口に物を入れたほうがいいですか?

いいえ。割り箸・タオル・指などを口に入れるのは絶対にやめてください。歯の損傷や窒息の危険があり、けいれんで舌を飲み込むこともありません。横向きにして見守るのが安全です。

熱性けいれんはくせになりますか?再発しますか?

一度起こした子の3人に1人くらいが2回以上くり返すとされています。早い月齢での発症や家族歴があると再発しやすい傾向です。ただ多くは成長とともに起こさなくなり、対応を知っていれば落ち着いて向き合えます。

後遺症やてんかんが心配です。

単純型では脳に後遺症は残らないとされ、9割以上の子はてんかんには移行しないと報告されています。複雑型などでは医師が脳波検査などを検討することがありますが、過度に心配しすぎなくて大丈夫です。

熱が出たら、けいれん予防に解熱剤を使えば防げますか?

解熱剤で熱性けいれんそのものを予防できるとは限らないとされています。くり返すタイプではジアゼパム坐剤が処方されることがありますが、使うかどうか・使い方は医師の指示が最優先です。

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いつもシェアして下さりありがとうございます!少しでも色んな人に知識が行き渡りますように...!

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