要点:うんちの色で最も注意が必要なのは「白・クリーム色・灰白色」。母子手帳の便色カード1〜3番に該当する場合は胆道閉鎖症の可能性があり、生後2〜3か月以内の早期発見が重要です。緑色のうんちは基本的に問題なし。赤・黒(タール便)も受診の目安になります。
まず確認してください——受診が必要な色のサイン
- いちごジャム状の粘血便+激しく泣く・嘔吐(腸重積疑い)→ 今すぐ119番または救急受診
- 白・クリーム色・灰白色のうんち(便色カード1〜3番相当)→ 当日受診
- 黒くてねっとりしたうんち(タール便)*鉄剤・食品由来を除く → 当日受診
- 血が混じっている(少量でも) → 当日受診(機嫌良く少量の場合は翌日でも可)
- 白っぽい水様便+嘔吐・発熱(ロタウイルス疑い)→ 当日受診
- 緑色・黄緑色・黄色(母乳・ミルクによる差)→ 元気なら様子見でOK
- 食べた物の色(トマト・ほうれん草等)がそのまま出た → 心配なし
判断に迷うときは #8000(子ども医療電話相談) へ。便の写真を撮っておくと受診時に役立ちます。
「今日のうんち、なんだかいつもと色が違う…」「緑色のうんちが出たけど大丈夫?」——おむつ替えのたびに気になることってありますよね。
うんちの色は子どもの健康状態を知る大切なサインです。特に白っぽいうんちは早期発見が重要な病気のサインである可能性があります。まず便色カードで確認することを習慣にしましょう。
うんちの色は月齢・授乳方法で変わる——基本の知識
赤ちゃんのうんちの色が変化するのは普通のことです。
- 生まれてすぐ——黒緑色の胎便から始まり、数日かけて黄色や茶色に変わっていきます。腸内環境が発達している正常な過程です。
- 母乳育ちの赤ちゃん——マスタード色(からし色)や黄色が多いです。
- ミルク育ちの赤ちゃん——緑色・黄緑色のうんちが多い傾向があります。
- 離乳食開始後——食べたものの色が出やすくなります。ほうれん草→緑、にんじん→オレンジ、トマト→赤っぽい、など。食べ物に心当たりがあれば心配いりません。
うんちの色は、胆汁(胆のうで作られる消化液)に含まれる色素が腸内で変化することで決まります。この色素の流れに問題があると、白っぽいうんちが出ることがあります。
白・クリーム色のうんちが出たら——最も注意が必要なサイン
白っぽいうんちは、最も注意が必要な色です。母子手帳の便色カードで1〜3番に当てはまる場合は、当日中に小児科を受診してください。
白いうんちが出る代表的な原因として、胆道閉鎖症(たんどうへいさしょう)があります。胆汁が腸に流れなくなる病気で、約1万人に1人の割合で発生するとされています。日本小児科学会は、胆道閉鎖症は生後60日以内に手術を行うことで予後が改善されると報告しており、早期発見が非常に重要です。
白っぽい水様便の場合は、ロタウイルス感染症の可能性もあります。「米のとぎ汁のような」白い水様便が特徴で、嘔吐・発熱を伴うことが多いです。脱水に注意しながら、早めに受診してください。
便色カードの正しい使い方
- 日中の明るい光の下(または昼光色の照明下)で確認する
- 便色カードをおむつの便に近づけて比較する
- 迷ったときは小さい番号を選ぶ(安全側に判断)
- 1〜3番に近い色なら写真を撮って受診する
血が混じっているうんち——緊急度の見分け方
血便にはいくつかの種類があり、緊急度が異なります。
「いちごジャム状」の粘血便——緊急
腸重積症(ちょうじゅうせきしょう)という緊急性の高い病気のサインかもしれません。腸が腸の中に入り込んでしまう状態で、生後3か月〜2歳に多く見られます。間欠的に激しく泣く(急に泣いてはおさまる)、嘔吐などを伴う場合は、夜間でも救急受診が必要です。
便の表面に少量の鮮血——比較的落ち着いて対応を
硬いうんちで肛門が傷ついた「裂肛(れっこう)」が原因のことが多く、1〜3歳に多く見られます。機嫌がよく、出血が少量であれば翌日の受診でも問題ないことが多いです。
赤い食べ物を食べた後——心配なし
トマト・スイカ・イチゴなど赤い食べ物を食べた後に赤みがかったうんちが出ることがあります。食べ物に心当たりがあり、お子さんが元気なら様子見で大丈夫です。
黒いうんち(タール便)——当日受診を
真っ黒でねっとりしたコールタール状のうんちは、胃や十二指腸からの出血サインである可能性があります。見つけた場合は当日中に受診してください。
ただし、以下の場合は黒いうんちでも心配いりません。
- 鉄剤を服用している
- 海苔・ブルーベリー・黒豆をたくさん食べた後
- 生後数日以内の胎便(正常)
緑色のうんちは大丈夫?——多くの場合は心配なし
「緑色のうんちが出た!」と心配されることはよくありますが、多くの場合は心配いりません。
緑色になる主な理由は、胆汁の色素が腸内で酸化することです。腸の動きが活発なとき・空気を多く飲み込んだとき・抗生剤を飲んでいるときなどに起きやすいです。
お子さんの機嫌がよく、食欲があり、元気に過ごしているなら問題ありません。ただし、便色カードの1〜3番に近い「薄い緑」「白っぽい緑」は注意が必要です。迷ったら便色カードで確認してみてください。
まろんの臨床メモ
小児科外来で「うんちの色がおかしい」と受診されたとき、最初に確認するのが母子手帳の便色カードです。1か月健診のときに必ず確認するよう指導されていますが、「カードの存在を知らなかった」という保護者さんも多いです。母子手帳の最初のほうのページに貼られています。ぜひ一度確認して、どこにあるか把握しておいてください。写真に撮っておくとスマホでいつでも確認できます。白っぽいうんちは見落としやすいので、「いつもより色が薄い気がする」と思ったら迷わず受診してほしいと思います。
受診時に伝えると役立つこと
- うんちの色(写真があると最も正確に伝わります)
- いつから色が変わったか
- 月齢・授乳方法(母乳か、ミルクか、混合か)
- 離乳食の内容(食べた色の強い食材)
- 発熱・嘔吐・機嫌の変化の有無
- 鉄剤など薬の服用の有無
まとめ
- 白・クリーム色・灰白色のうんちは最も要注意——便色カード1〜3番に該当すれば当日受診を。
- 緑色は多くの場合心配なし。元気・食欲があれば様子を見て大丈夫です。
- いちごジャム状の粘血便+激しく泣く場合は腸重積の可能性があり夜間でも救急受診を。
- おむつ替えの際に「いつもと違う色」と感じたら、写真を撮っておくと受診時に役立ちます。
「なんか変かも?」と思ったら、#8000(子ども医療電話相談) に相談してみてください。一人で抱え込まず、気軽に聞いてほしいと思います。
参考文献・情報源
- 日本小児科学会「胆道閉鎖症の早期発見について」
- 厚生労働省「母子健康手帳の様式について(便色カード掲載)」
- 国立成育医療研究センター「胆道閉鎖症」
- こどもの救急(日本小児科学会 kodomo-qq.jp)「便の異常」


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