「保育園から電話があると、ドキッとする…」そんな経験、ありませんか?呼び出しの理由で最も多いのは発熱ですが、実は熱がなくても呼び出しが来ることがあります。そして、その中には「すぐに対応が必要な症状」が隠れていることも。
小児科看護師として7年間、たくさんのお子さんを見てきた私まろんが、発熱以外で保育園から呼び出しが来やすい症状と、その中でも特に注意が必要なサインを解説します。
この記事でわかること
- 保育園から呼び出しが来る主な症状リスト
- 発熱以外で「実は危ない」症状の見分け方
- 症状別の家庭でできる対処法
- 「今すぐ受診」「様子を見てOK」の判断基準
- 呼び出し時に保育園に確認すべきポイント
保育園から呼び出しが来る主な症状とは?
保育園によって基準は多少異なりますが、「保育所における感染症対策ガイドライン」(こども家庭庁)に基づいて、多くの園で共通する呼び出し基準があります。
呼び出しが来やすい症状一覧
保育園からの呼び出しで多いのは以下の症状です。
- 発熱:37.5度以上(最も多い理由で約9割を占めます)
- 嘔吐・下痢:特に園内で同じ症状の子が複数いる場合
- 発疹:時間とともに増えている場合
- 目の症状:充血、目やに、腫れ
- 咳・呼吸困難:ゼーゼー、ヒューヒューする呼吸音
- 元気がない・機嫌が悪い:ぐったりしている
- 怪我:病院受診が必要な程度のもの
発熱が圧倒的に多いのですが、注意したいのは「熱がないのに呼び出しが来た」ケース。実はこれらの中に、早めの対応が必要な症状が隠れていることがあります。
【症状別】実は危ない!注意が必要なサイン
1. 嘔吐・下痢 ~脱水のサインを見逃さないで~
子どもは大人に比べて体内の水分割合が高く、水分調節機能も未熟なため、嘔吐や下痢があると脱水症状に陥りやすいのが特徴です。
こんな症状は要注意!
- おしっこの回数が明らかに減っている
- 唇や口の中が乾燥している
- 泣いても涙が出ない
- 皮膚をつまんでも戻りが遅い
- ぐったりして元気がない
- 1日に何度も嘔吐を繰り返す
- 便に血が混じっている
特に乳幼児は急速に症状が悪化することがあります。脱水が進行すると、ショックや多臓器不全のリスクもあるため、早めの対応が大切です。
2. 発疹 ~感染症のサインかも?~
発疹は多くの感染症で見られる症状です。時間とともに増えている場合は、感染症の可能性を考えて保育園から連絡が来ることがあります。
発疹が出やすい主な感染症
- 手足口病:手のひら、足の裏、口の中に水疱
- 水ぼうそう:かゆみを伴う水疱が全身に
- 突発性発疹:高熱が下がった後に発疹が出る
- はしか・風疹:発熱とともに全身に発疹
こんな症状は要注意!
- 発疹+ゼーゼーする呼吸(アナフィラキシーの可能性)
- 発疹が急速に全身に広がっている
- 発疹とともにぐったりしている
- 高熱が3日以上続いている
発疹だけで元気な場合は緊急性は低いことが多いですが、水ぼうそうなど感染力の強い病気の可能性もあるため、一度は受診することをおすすめします。
3. けいれん ~慌てず、でも確実に対応を~
熱性けいれんは、乳幼児の約5〜8%が経験すると言われており、決してまれな症状ではありません。多くの場合、5分以内に自然におさまり、後遺症なく経過します。
けいれん時の対応
- まずは保護者の方が落ち着く
- 体を横向きにして、吐物で気道をふさがないようにする
- けいれんの持続時間を確認する(動画撮影も有効)
- 口にタオルや箸を入れない(窒息の危険)
すぐに救急車を呼ぶべき場合
- けいれんが5分以上続く
- けいれんが左右非対称
- けいれん後も意識が戻らない
- 1日に何度もけいれんを繰り返す
- 初めてのけいれん
4. 呼吸がおかしい ~クループや喘息の可能性~
「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という呼吸音や、犬が吠えるような「ケンケン」という咳は、気道が狭くなっているサインです。
クループ症候群の特徴
- 犬の遠吠えのような、オットセイのような咳
- 声がかれる
- 息を吸うときにヒューヒューと音がする
- 夜間に症状が悪化しやすい
すぐに受診・救急車が必要な場合
- 顔色が悪い、唇が紫色(チアノーゼ)
- 息を吸うときに胸や鎖骨の下がへこむ(陥没呼吸)
- 肩で息をしている
- 話すのが苦しそう
- ぐったりして反応が鈍い
呼吸困難は急激に悪化することがあるため、「おかしいな」と思ったら早めの受診をおすすめします。
5. 目の症状 ~結膜炎は感染力に注意~
目の充血や目やにが増えている場合、ウイルス性や細菌性の結膜炎の可能性があります。特に流行性角結膜炎(はやり目)は感染力が非常に強いため、登園できない場合があります。
受診が必要な目の症状
- 白目が赤く充血している
- 目やにが多い(特に朝起きたときに目が開きにくい)
- まぶたが腫れている
- 涙が止まらない
呼び出しを受けたら確認したいこと
保育園から電話があったとき、慌てずに以下のことを確認しましょう。
- いつから症状が出たか
- 熱があれば、何度か
- お子さんの様子(元気があるか、ぐったりしているか)
- 同じ症状の子が園内にいるか
- 食事や水分は摂れているか
「熱はあるけど機嫌はいい」場合と「微熱だけど機嫌が悪くミルクも飲まない」場合では、後者の方が心配なこともあります。
家庭でできる対処法
嘔吐・下痢のとき
- 吐いた直後は30分〜1時間お腹を休ませる
- 経口補水液を少量ずつ(スプーン1杯程度から)与える
- 一度に大量に飲ませると吐きやすいので注意
- 吐物の処理は塩素系消毒剤で(感染予防のため)
発疹のとき
- かきむしらないよう爪を短く切る
- 発疹の写真を撮っておく(受診時に役立つ)
- 発疹の広がり方を観察する
咳・呼吸困難のとき
- 上半身を少し起こした姿勢で楽にする
- 部屋を加湿する
- 水分をこまめに与える
- クループの場合、冷たい空気を吸わせると楽になることも
こんなときは受診を
今すぐ救急受診が必要
- けいれんが5分以上続く
- 顔色が悪い、唇が紫色
- 呼吸が苦しそう(陥没呼吸、肩で息をする)
- ぐったりして反応がない
- 生後3ヶ月未満の高熱(38度以上)
- 発疹+ゼーゼーする呼吸(アナフィラキシー)
当日中に受診
- 嘔吐が繰り返され、水分が摂れない
- おしっこが半日以上出ない
- 発疹が急速に広がっている
- 初めてのけいれん(5分以内でおさまった場合)
- 犬の遠吠えのような咳+声がれ
翌日まで様子を見てよい
- 発疹のみで元気、熱なし
- 軽い咳のみで元気、熱なし
- 下痢はあるが水分は摂れている
- 鼻水のみで他の症状なし
判断に迷うときは、#8000(子ども医療電話相談)に電話すると、看護師や医師に相談できます。
まとめ
- 保育園の呼び出し理由は発熱が最多だが、嘔吐・下痢・発疹・呼吸困難なども要注意
- 子どもは脱水になりやすいため、嘔吐・下痢時は水分補給を最優先に
- けいれんは慌てず、時間を計って観察。5分以上続けば救急車を
- 呼吸困難は急変しやすいため、おかしいと思ったら早めに受診
- 迷ったときは#8000に電話、または「こどもの救急」サイトを活用
お子さんの「いつもと違う」は、親御さんだからこそ気づけるサインです。心配なときは遠慮なく受診してくださいね。一人で抱え込まず、保育園の先生やかかりつけ医と連携しながら、お子さんの健康を守っていきましょう。
参考文献


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