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ヒブ・肺炎球菌・五種混合・B型肝炎ワクチンとは?定期の不活化ワクチンをまとめて解説

ヒブ・肺炎球菌・五種混合・B型肝炎ワクチンとは?定期の不活化ワクチンをまとめて解説 予防と健康管理

生後2か月になると、母子手帳の予防接種ページが急に賑やかになりますよね。ヒブ、肺炎球菌、五種混合、B型肝炎——カタカナや漢字の病名が並んで、「これ、全部いっぺんに打って大丈夫なの?」と戸惑う保護者さんは、とても多いです。

しかも、ここ数年で制度がぐっと変わりました。2024年4月に五種混合ワクチンが始まり、同年10月には肺炎球菌が20価へ。上のお子さんのときと種類や回数が違って、混乱しやすい時期なんです。情報が更新されているぶん、戸惑うのは当然のことだと思います。

まず、怖がりすぎなくて大丈夫です。これらはどれも、赤ちゃんがかかると重くなりやすい病気を防ぐための定期接種(不活化ワクチン)。一本ずつ意味があります。この記事では、それぞれが防ぐ病気・接種回数・スケジュールを一覧で整理し、接種後に気をつけたいサインまで、一緒に確認していきますね。

医療情報について: このページは、家庭で確認しやすい一般的な情報を、厚生労働省や日本小児科学会、JIHS(国立健康危機管理研究機構)の情報をもとに整理したものです。私は看護師であり、医師ではありません。診断・治療の代わりにはなりません。接種の可否やスケジュールは、かかりつけの小児科で確認するのが基本です。

接種後15〜30分以内に全身のじんましん・顔や唇の腫れ・呼吸が苦しそう・ぐったりする——こうしたサインはアナフィラキシーが疑われるため、ただちに救急受診または119番に連絡してください。ロタウイルスワクチンを同時に受けたあと、1〜2週間以内に突然激しく泣く・周期的に機嫌が悪くなる・血便・繰り返す嘔吐・顔色が悪いときは、腸重積症の可能性があり、見逃したくないサインです。判断に迷うときは、子ども医療電話相談 #8000 にも相談できます。

要点: 生後2か月から始まる定期の不活化ワクチンは、ヒブ・肺炎球菌・五種混合・B型肝炎が中心です。大切なのは3つ。①どれも重い病気(細菌性髄膜炎など)を防ぐために必要、②2024年に五種混合と肺炎球菌の制度が変わったので最新のスケジュールを確認、③接種後の異常や打ち忘れは自己判断せずかかりつけ医に相談、です。

定期の不活化ワクチンとは?生後2か月から始まる理由

不活化ワクチンは、病原体の感染力をなくして「免疫だけを作る材料」にしたワクチンです。生後2か月から始めるのは、お母さんからもらった免疫が減り、感染症にかかりやすくなる時期だからです。 赤ちゃんを守るため、早めに始めます。

赤ちゃんは生まれたとき、胎盤を通してお母さんから一定の免疫を受け継いでいます。ただ、その免疫は生後数か月でだんだん減っていきます。ちょうどそのころに、自分の力で免疫をつけ始める必要が出てくるんですね。だから定期接種は、生後2か月という早い時期からスタートします。不活化ワクチンの仕組みそのものについては、何を予防しているのか?〜不活化ワクチン編〜 でも詳しく解説しています。

定期接種のうち、生後2か月で始まる主な不活化ワクチンはヒブ・小児用肺炎球菌・五種混合・B型肝炎です。いずれも、かかると重症化しやすい病気を防ぐためのもの。これらは複数を同じ日に接種する「同時接種」が一般的で、体への負担が増えることはないとされています(ヒブワクチン/Know VPD!)。

同時接種が広がったのには理由があります。生後早期に守りたい病気が複数あるなか、一本ずつ別の日に打つと回数が増え、間に合わないことがあるためです。スケジュール全体の流れは、子どもの症状・受診判断ガイド ともあわせて把握しておくと安心です。

五種混合ワクチンとは?2024年4月に何が変わったの?

五種混合は、四種混合(ジフテリア・百日せき・破傷風・ポリオ)にヒブを加えた1本のワクチンです。2024年4月から定期接種となり、従来の四種混合4回+ヒブ4回(計8回)が、4回に集約されました。 接種の負担が大きく減りました。

原則として、2024年2月以降に生まれたお子さんが五種混合の対象とされています(5種混合ワクチン/厚生労働省)。それより前に生まれて、すでに四種混合とヒブで始めているお子さんは、原則として同じ種類で接種を進めます。どちらに当たるか迷うときは、母子手帳を持ってかかりつけ医に確認してくださいね。

五種混合が防ぐ5つの病気と有効性

五種混合がカバーするのは、ジフテリア・百日せき・破傷風・ポリオ・ヒブの5疾患です。厚生労働省の情報では、有効性としてジフテリアは約95%のリスク低減、百日せきは80〜85%程度、破傷風はほぼ100%の抗体獲得、ポリオは99%が十分な抗体を獲得するとされています(厚生労働省)。とくに百日せきは、月齢の低い赤ちゃんがかかると呼吸が苦しくなることがあり、早めに守りたい病気です。

接種スケジュールは、初回3回(生後2〜7か月の間に、3〜8週間隔で)+追加1回(初回3回目から6か月以上あけ、生後12か月以降)の計4回です。接種できる対象は、生後2か月から生後90か月(7歳6か月)未満とされています(厚生労働省)。

ヒブワクチンが防ぐ病気|細菌性髄膜炎ってどんなもの?

ヒブ(インフルエンザ菌b型)は、細菌性髄膜炎・敗血症・肺炎などの重い病気を起こす細菌です。5歳未満でほとんどが発症し、ヒブ髄膜炎にかかった子の死亡率は約0.4〜4.6%とされ、生存しても約11〜28%に難聴などの後遺症が残るとされています。

「インフルエンザ」と名前が似ていますが、冬に流行するインフルエンザウイルスとは別物です。ヒブは細菌で、脳や脊髄を包む膜に炎症を起こす細菌性髄膜炎の主な原因のひとつでした。初期はかぜと見分けにくく、進行が早いのが怖いところとされています(Hib感染症/厚生労働省)。

ただ、ここは前向きに知っておいてほしいところです。ヒブワクチンが2013年に定期接種化されてから、5歳未満のヒブ髄膜炎は大きく減りました。厚生労働省によると、発症頻度は10万人あたり7.5〜8.2(2008〜2010年)から、2014年には0になったと報告されています。ワクチンでヒブ感染症のリスクを95%以上減らせるとされています(厚生労働省)。

JIHS(国立健康危機管理研究機構)の検査データでも、ワクチン普及後の2011〜2012年に髄膜炎患者数が激減し、2012年の9か月分は2010年比で5分の1ほど(22例)に減ったと報告されています(Hibワクチン導入効果/JIHS)。今は五種混合に含まれる形で、引き続き赤ちゃんを守っています。

肺炎球菌ワクチンとは?2024年10月に20価へ変わった理由

小児用肺炎球菌ワクチンは、細菌性髄膜炎や肺炎、中耳炎などを起こす肺炎球菌を防ぎます。2024年4月にPCV15(15価)、同年10月にPCV20(20価)が定期接種に加わり、従来のPCV13(13価)は終了しました。カバーできる種類が増えています。

「価」という数字は、カバーできる肺炎球菌の型の数を表します。肺炎球菌には多くの型があり、13価より15価、15価より20価と、防げる範囲が広がるイメージです。日本小児科学会も、原則として同じ種類のワクチンで接種を完了することをすすめています(小児における肺炎球菌結合型ワクチンの定期接種に関する考え方/日本小児科学会)。

なぜ20価へ広げる必要があったの?

13価が広く使われたことで、その13種類による感染は大きく減りました。一方で、ワクチンに含まれない型(非含有株)による感染の割合が増えていく傾向がみられたためです。研究班の2025年データでは、小児の侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)は導入前比で67.7%減少した一方、ワクチン非含有株が占める割合が86.6%まで上がっていると報告されています(5種混合ワクチン(DPT-IPV-Hib)/厚生労働省)。より広くカバーするワクチンへ移る流れが、ここにあります。

標準的なスケジュールは、生後2〜7か月で初回3回(27日以上あけて)+12〜15か月に追加1回の計4回です(小児用肺炎球菌ワクチン/Know VPD!)。公費助成が始まって以降、肺炎球菌による細菌性髄膜炎は71%減ったとも報告されています(同)。回数や間隔は、種類が変わっても基本的に同じです。

B型肝炎ワクチン|水平感染まで防ぐ必要があるのはなぜ?

B型肝炎ワクチンは、B型肝炎ウイルスによる肝臓の病気を防ぎます。2016年10月から0歳児の定期接種となりました。母子感染だけでなく、家庭内などでの「水平感染」を防ぐため、すべての赤ちゃんへの接種が必要と判断されました。

「うちは母子感染の心配がないのに、なぜ?」と感じる保護者さんもいらっしゃいます。ここは大事なポイントです。B型肝炎ウイルスは、母子間の垂直感染だけでなく、家庭内や保育施設などでの水平感染でも広がることがあります。乳幼児期に感染すると、ウイルスが体に残るキャリアになりやすいとされています(B型肝炎ワクチンの定期接種について/JIHS)。

気になるのは効果ですよね。厚生労働省によると、3回接種後の抗体獲得率は40歳以下で約95%、感染を防ぐ効果は20年以上続くと考えられています(B型肝炎ワクチン/厚生労働省)。標準スケジュールは、1回目が生後2か月、2回目が生後3か月、3回目が生後7〜8か月。それぞれ0.25mLを皮下に接種します(同)。生後早めに、しっかり守っておきたいワクチンです。

まろんの臨床メモ: 生後2か月の同時接種は、保護者さんから「いっぺんに打って、かわいそう・心配」という声をよく聞きます。小児科で見てきた中では、複数同時でも赤ちゃんの負担が大きく増えることはなく、むしろ通院回数が減って受け忘れを防げる利点が大きいと感じます。受診のコツをひとつ。接種前は機嫌のよい時間帯を選び、授乳やミルクは直前に済ませておくと、待ち時間がぐずりにくいです。打ったあとは15〜30分、院内で様子を見るのが基本。その間にあやしたり授乳したりして、落ち着いて過ごせるよう準備しておくと安心ですよ。

不活化ワクチン4種類の接種スケジュール一覧

ヒブを含む五種混合・肺炎球菌・B型肝炎は、どれも生後2か月スタートで複数回の接種が必要です。種類ごとに回数や間隔が決まっているため、母子手帳で記録しながら進めるのが基本です。 ここで全体を一覧にして整理します。

生後2か月スタートのワクチン(標準スケジュール)

  • 五種混合(ジフテリア・百日せき・破傷風・ポリオ・ヒブ): 初回3回(生後2〜7か月に3〜8週間隔)+追加1回(初回3回目から6か月以上、生後12か月以降)の計4回(厚生労働省
  • 小児用肺炎球菌(PCV20など): 初回3回(生後2〜7か月に27日以上間隔)+追加1回(12〜15か月)の計4回(Know VPD!
  • B型肝炎: 1回目(生後2か月)・2回目(生後3か月)・3回目(生後7〜8か月)の計3回(厚生労働省

開始が遅れた場合は、回数が変わることがあります。たとえばヒブ(単独)は、生後7〜11か月開始で3回、1〜4歳開始で1回と、始める月齢で必要回数が変わります(Know VPD!)。少し複雑に感じますが、すべて自分で計算する必要はありません。かかりつけの小児科や自治体が、月齢に合わせて案内してくれます。

同時接種をうまく使うと、通院回数を抑えながらスケジュール通りに進めやすくなります。発熱が出たときの考え方は、子どもの発熱|年齢別の受診目安と夜間の対応チェックリスト もあわせてどうぞ。

接種後に気をつけること|副反応とすぐ受診すべきサイン

多くの副反応は、接種部位の腫れ・痛みや軽い発熱で、1〜2日で落ち着きます。ただし、接種直後のアナフィラキシーや、ロタとの同時接種後の腸重積症は、見逃さず早く対応したいサインです。 怖がりすぎなくて大丈夫ですが、ここだけは知っておきましょう。

五種混合の副反応は、局所の腫れ・痛みが5〜80%、発熱が5〜20%程度で、従来のワクチンと同程度とされています。重いアレルギー反応であるアナフィラキシーは、100万接種あたり1人未満と極めてまれです(予防接種スケジュール/KNOW★VPD!(日本小児科学会推奨))。だからこそ、接種後15〜30分は院内で様子を見るのが基本になっています。

もうひとつ知っておきたいのが、同じ時期に受けることが多いロタウイルスワクチンです。これは不活化ワクチンではありませんが、接種後約1〜2週間は腸重積症のリスクが一時的に高まるとされています。突然激しく泣く・機嫌が周期的に悪くなる・嘔吐・血便・顔色不良などがあれば、すぐ受診してください(ロタウイルスワクチンに関するQ&A/厚生労働省)。下の表を、家庭での判断の目安にしてくださいね。

【予防接種後 受診判断チェック】

  • 🚨 すぐに受診(接種当日・夜間でも/119番も)
    • 接種後15〜30分以内に全身のじんましん・顔や唇の腫れ・ゼーゼーして息が苦しそう・ぐったり(アナフィラキシーのサイン)
    • ロタと同時接種後の1〜2週間以内に、突然激しく泣く・周期的に機嫌が悪くなる・血便・繰り返す嘔吐・顔色が悪い(腸重積症のサイン)
    • 接種後にけいれん(ひきつけ)が起きた
  • ⚠️ 早めに相談(日中の診療時間内に)
    • 38.5℃以上の高熱が続く、または翌日以降も発熱や機嫌の悪さが悪化する
    • 接種部位の腫れ・赤みがどんどん広がる・熱を持って強く痛がる
    • 打ち忘れ・接種漏れに気づいた(自己判断で延期・スキップしない)
  • 📅 家庭で様子を見てよい
    • 接種部位が少し赤い・腫れている・触ると痛がる程度で、機嫌は悪くない
    • 軽い発熱があるが、水分がとれて機嫌が戻る時間がある(多くは1〜2日で落ち着く)
    • いつもどおり眠れて、ミルクや母乳が飲めている

迷ったら #8000(子ども医療電話相談) に相談できます。打ち忘れやスケジュールの乱れに気づいたときも、自己判断せず、母子手帳を持ってかかりつけの小児科か自治体の窓口に相談してください。「これくらいで聞いていいのかな」とためらわなくて大丈夫です。

まとめ — 一本ずつ意味がある、迷ったら遠慮なく相談を

生後2か月から始まる定期の不活化ワクチン。ヒブ・肺炎球菌・五種混合・B型肝炎と、種類も回数も多くて圧倒されますよね。でも、ひとつずつ見ていくと、どれも赤ちゃんがかかると重くなりやすい病気を防ぐためのものだと分かります。

覚えておきたいのは3つ。2024年に五種混合と肺炎球菌の制度が変わったので最新の案内を確認すること。同時接種は負担を増やさず、受け忘れを防ぐこと。そして、接種後の気になるサインや打ち忘れは、自己判断せずに相談することです。回数の計算は、かかりつけ医や自治体が月齢に合わせて手伝ってくれます。

初めての予防接種は、保護者さんもドキドキしますよね。どうか、一人で抱え込まないでください。スケジュールに迷ったとき、接種後に気になることがあったときは、#8000やかかりつけ医に、遠慮なく相談していいんです。一本ずつ、お子さんを守っていきましょうね。

五種混合ワクチンは四種混合+ヒブと何が違うの?

五種混合はジフテリア・百日せき・破傷風・ポリオ(四種混合の4疾患)にヒブを加えた1本のワクチンです。以前は四種混合4回+ヒブ4回で計8回必要でしたが、五種混合なら4回に半減できます。2024年4月から定期接種となり、2024年2月以降生まれが原則対象です。

ヒブワクチンはどんな病気を防ぐの?

ヒブ(インフルエンザ菌b型)による細菌性髄膜炎・敗血症・肺炎などを防ぎます。ヒブ髄膜炎にかかった子どもの死亡率は約0.4〜4.6%とされ、生存しても約11〜28%に難聴などの後遺症が残るとされます。ワクチンでリスクを95%以上減らせると報告されています。冬のインフルエンザとは別の病気です。

肺炎球菌ワクチンが2024年に変わったと聞きました。何が変わったの?

2024年4月から15価(PCV15)、同年10月から20価(PCV20)が定期接種に追加され、従来の13価(PCV13)は定期接種を終了しました。カバーできる肺炎球菌の種類が増え、予防の範囲が広がっています。接種回数や間隔は、これまでと基本的に変わりません。

B型肝炎ワクチンはなぜ赤ちゃんに必要なの?

B型肝炎ウイルスは母子間だけでなく、家庭内などでも感染します(水平感染)。乳幼児期に感染するとウイルスが残るキャリアになりやすく、将来の肝臓の病気につながる可能性があります。3回接種で40歳以下では約95%が抗体を獲得し、効果は20年以上続くとされています。

接種を打ち忘れてしまったらどうすればいい?

定期接種には対象年齢の期限があります(ヒブ・五種混合は生後2か月〜7歳6か月未満が目安)。期限内なら接種できますが、間隔の調整が必要です。自己判断で延期せず、まず母子手帳を持参して、かかりつけの小児科か自治体の担当窓口に相談してください。期限を過ぎると原則として自費の任意接種になります。


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