下痢が長引くとき|食事と整腸剤の考え方

症状ケア

下痢が長引く、よくあることです

子どもの下痢って、本当に悩みますよね。「もう1週間も続いてる」「食事をどうしたらいいの?」と不安になるお気持ち、すごくわかります。私も我が子の下痢が10日続いたときは、夜中に何度もおむつを確認して眠れませんでした。

実は小児科の現場では、下痢が1〜2週間続くケースは珍しくありません。特に赤ちゃんは腸が未熟なので長引きやすいんです。元気があって水分が摂れていれば、慌てすぎなくて大丈夫ですよ!

なぜ下痢は長引くのか

下痢が続く理由はいくつか考えられます。一番多いのはウイルス性胃腸炎の後、腸の粘膜が回復するのに時間がかかるパターンです。腸の粘膜って、ダメージを受けると元に戻るまで1〜2週間かかるんですね。

もうひとつ知っておいてほしいのが「二次性乳糖不耐症」です。これは下痢が続いて腸が疲れてしまい、ミルクや母乳に含まれる乳糖を分解する力が一時的に弱くなる状態なんです。2週間以上下痢が続いて、特に乳製品を摂ると悪化する場合は、これが原因かもしれません。

ただし心配しすぎないでくださいね! 二次性乳糖不耐症は多くの場合、一時的なものです。時間とともに腸の機能は戻ってきますから。

食事の基本は「腸を休めつつ栄養を」

下痢が続くとき、食事で一番大切なのは水分補給です。「水分を摂らせすぎるから下痢になる」と思われがちですが、実は逆なんですね。下痢で失われた水分を補給しないと、脱水になってしまいます。

水分補給が最優先

経口補水液が理想的です。塩分と糖分のバランスが整っているので、体にすっと吸収されるんですね。

のような子ども用イオン飲料を、少量ずつこまめに飲ませてあげましょう。

冷たいものは腸を刺激してしまうので、常温かぬるめがおすすめです。我が家では冷蔵庫から出して20分くらい置いてから飲ませていました!

食欲が出てきたら消化の良いものから

無理に食べさせる必要はありません。でも食欲が出てきたら、それは回復のサインですね。まずはおかゆやうどんなど、お腹に優しいものから始めましょう。

次の段階として、豆腐や白身魚、にんじんやかぼちゃの煮物など、たんぱく質も少しずつ加えていきます。腸の粘膜を修復するには栄養も必要なので、食べられるようになったら段階的に進めていくのがポイントです。

乳製品と油分の扱い方

牛乳やヨーグルトは慎重に

下痢が長引いているときは、牛乳や乳製品を一時的に控えるのが無難です。先ほどお話しした乳糖不耐症の可能性もありますし、乳製品は下痢を悪化させやすいんですね。

ただし母乳は基本的に続けてOKです! 母乳には免疫成分も含まれているので、赤ちゃんにとっては心強い味方なんですよ。ミルクの場合も、医師から特別な指示がなければ、普通に飲ませて大丈夫なことが多いです。

もし2週間以上下痢が続いて、ミルクを飲むと明らかに悪化する場合は、小児科で相談してみてください。乳糖が入っていないミルクに変更する方法もありますから。

油分は腸に負担をかける

揚げ物やバターたっぷりのパンなど、油っこいものは消化に時間がかかります。下痢のときは腸が疲れているので、油分は控えめにしてあげましょう。

バナナやりんごのすりおろしなど、自然な甘みのある果物は比較的OK です。ただし柑橘系は刺激が強いので、避けたほうが無難ですね。

整腸剤ってどう考えればいい?

整腸剤の位置づけ

整腸剤について、正直にお話ししますね。実は医療現場でも意見が分かれているんです。「ウイルス性の下痢には効果がない」という研究結果もあれば、「腸内環境を整えるサポートになる」という考え方もあります。

私の理解では、整腸剤は「あれば助けになるかもしれないけど、必須ではない」というポジションだと思います。腸内の善玉菌を増やすお手伝いをしてくれるので、使っても問題はありません。でも飲まなくても自然に治ることがほとんどなんですね。

こんなときは整腸剤が役立つかも

抗生剤を飲んでいるときは、整腸剤が有用だと言われています。抗生剤は悪い菌だけでなく、腸内の良い菌まで減らしてしまうので、整腸剤で補ってあげるわけです。

また、回復期に入って「そろそろ腸内環境を整えたい」というタイミングで使うのも一つの方法でしょう。ヨーグルトや発酵食品と同じような感覚で考えていいと思います。

無理に飲ませなくていい

大切なのは、整腸剤は「飲まなきゃいけないもの」ではないということです。食欲がないときに無理に飲ませる必要はありませんし、飲んでも飲まなくても回復のスピードはそれほど変わらないことが多いんですね。

医師から処方されている場合は、指示通りに飲ませればOKですが、「絶対に飲まないとダメ!」とプレッシャーに感じなくて大丈夫ですよ。

下痢止めは使わないほうがいい

これだけははっきりお伝えしたいのですが、ウイルス性の下痢に下痢止めは使わないほうがいいんです。下痢は体がウイルスや細菌を外に出そうとしている防御反応なので、それを止めてしまうと回復が遅れる可能性があります。

市販の下痢止めも、自己判断で使うのは避けてくださいね。どうしてもという場合は、必ず小児科で相談してからにしましょう。

こんなときは受診を

  • 下痢が1週間以上続いている
  • 血便が出ている
  • 発熱が続いている
  • ぐったりして元気がない
  • おしっこの回数が明らかに減っている
  • 口や唇が乾燥している
  • 体重が減ってきている

これらのサインがあるときは、早めに小児科を受診してください。特に脱水症状は注意が必要です。おむつが4〜6時間濡れていない場合は、脱水が進んでいるかもしれません。

失敗談から学んだこと

実は私、我が子の下痢が続いたとき、早く治したい一心で食事を急いで元に戻してしまったことがあるんです。おかゆから急に普通のご飯に変えたら、また下痢がひどくなってしまって。あのときは本当に反省しました。

腸の回復には時間がかかります。焦らず、段階的に進めることが大切なんですね。親としては「早く治してあげたい」気持ちでいっぱいになりますが、子どものペースに合わせることも必要だと学びました。

まとめ:バランスが大事です

下痢が長引くとき、腸を休めつつも必要な栄養は摂る、というバランス感覚が大切です。水分補給を最優先にしながら、消化の良いものから少しずつ食事を進めていきましょう。

整腸剤は「あったら助けになるかも」くらいの位置づけで考えて、必須と思わなくて大丈夫です。乳製品や油分は控えめに、でも母乳は続けてOK。段階的に、ゆっくりと回復を見守ってあげてくださいね。

一番大切なのは、お子さんの様子をよく観察することです。元気があって水分が摂れていれば、多くの場合は時間とともに良くなっていきます。不安なときは一人で抱え込まず、かかりつけの小児科に相談してくださいね。一緒に乗り越えていきましょう!

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