【小児科看護師が解説】トイトレの始め方と成功のコツ

How to start potty training and tips for success 科学的に正しい子育て

「そろそろトイトレを始めた方がいいのかな…」「周りの子はもうオムツが外れたって聞くけど、うちの子はまだ全然…」

こんな不安を抱えているママ・パパは多いのではないでしょうか。私も小児科看護師として7年間、たくさんのご家庭からトイトレの相談を受けてきました。

結論からお伝えすると、トイトレは「焦らない・叱らない・比較しない」が成功の三原則です。この記事では、日本小児泌尿器科学会や米国小児科学会(AAP)の科学的知見に基づいて、トイトレの正しい始め方と成功のコツをわかりやすく解説します。

この記事でわかること

  • トイトレを始める適切な時期(月齢・発達の目安)
  • 「準備ができた」7つのレディネスサイン
  • 科学的に推奨される4ステップの進め方
  • 絶対に避けるべき5つのNG行動
  • 専門家に相談すべきケースと受診の目安

トイトレはいつから?医学的に推奨される開始時期

「トイトレは何歳から始めればいいの?」という質問をよくいただきます。

日本小児泌尿器科学会の見解によると、トイレトレーニング開始の目安は2歳半〜3歳頃です。これは子どもの排尿機能の発達に基づいています。

年齢別の排尿機能の発達

赤ちゃんの排尿機能は、年齢とともに段階的に発達していきます。

新生児期は1日約20回も排尿し、膀胱に尿がたまると反射的に出てしまいます。1歳頃になると膀胱容量が増え、尿がたまった感覚がわかり始めますが、まだ「おしっこしたい」と自覚することは難しい時期です。

2〜3歳になると尿をまとめて出せるようになり、排尿回数は1日6〜8回程度に減少します。この頃からトイトレの準備が整ってくるのです。

個人差が大きいことを知っておこう

スウェーデンの追跡調査によると、昼間の尿失禁がなくなる割合は3歳で約52%、4歳で約93%という結果が出ています。つまり、3歳でオムツが外れていなくても、まったく心配いりません。

排尿機能の完成は早ければ3歳、遅い場合は7〜8歳までかかることもあり、個人差が非常に大きいことを理解しておきましょう。

トイトレを始めるサイン:7つのレディネスチェック

「うちの子、トイトレ始めても大丈夫かな?」と迷ったら、以下の7つのサインをチェックしてみてください。複数当てはまれば、開始のタイミングです。

身体的なサイン

まず確認したいのは身体面の準備です。

  • おしっこの間隔が2時間以上空く:オムツ替えのときに乾いていることが増えてきたら、膀胱の発達のサインです
  • ひとりで安定して歩ける:トイレまで自分で行ける運動能力が必要です
  • 便座やおまるに安定して座れる:座る姿勢を保てることも大切です

コミュニケーション面のサイン

言葉や意思表示の発達も重要なポイントです。

  • 「おしっこ」「うんち」「トイレ」の意味を理解できる
  • 言葉やジェスチャーで意思表示ができる
  • 大人の問いかけに「はい」「いや」で答えられる

行動面のサイン

見逃しやすいですが、こんな様子が見られたら排泄の前兆です。

  • 座り込んでモジモジする
  • 股間を手で押さえる
  • 急に動きが止まる、落ち着きがなくなる
  • 定位置に移動する
  • 表情がしかめっ面になる
  • 濡れたオムツを不快そうにする
  • おまるやトイレに興味を示す

家庭でできるトイトレの進め方:4つのステップ

レディネスサインが確認できたら、いよいよトイトレのスタートです。焦らず段階的に進めていきましょう。

ステップ1:トイレを安心できる場所にする

まずはトイレに慣れることから始めます。

親がトイレを使う様子を見せることで、「トイレってこうやって使うんだ」と自然に学べます。おまるをリビングや寝室に置いて、服を着たまま座る練習をしてみましょう。

トイレを明るく楽しい空間に演出するのもおすすめです。好きなキャラクターのポスターを貼ったり、成功シールカレンダーを用意したりすると、お子さんのモチベーションが上がります。

ステップ2:サインを見つけてトイレへ誘う

お子さんのモジモジ・そわそわを見逃さず、「トイレ行ってみる?」と優しく誘いましょう。

遊びの切れ目や、食後・昼寝後・就寝前など決まったタイミングで誘う方法も効果的です。最初は出なくても構いません。座れただけで「座れたね!」と褒めてあげてください。

成功したら大いに褒め、ご褒美シールなどを活用すると、お子さんの達成感につながります。

ステップ3:おまるから補助便座へ移行する

おまるで成功体験を積んだら、トイレ空間に移動します。補助便座とおまる両方を置いて、お子さんに選ばせてあげるのもいいですね。

ここで大切なのは、足が床につく踏み台を用意すること。安定感が増し、いきみやすくなります。

ステップ4:日中パンツへの移行

排尿間隔が2時間以上空き、トイレでの成功が半分以上になったら、日中のオムツをパンツに切り替えます。

トレーニング期間は一般的に3〜6ヶ月かかりますが、大きな個人差があります。お子さんが自分から「おしっこしたい」と言えるようになるまで、見守ってあげてください。

絶対に避けるべき5つのNG行動

トイトレがうまくいかないと、つい焦ってしまいますよね。でも、以下の行動は逆効果になるだけでなく、将来の排尿トラブルにつながる可能性があります。

NG1:失敗を叱る・罰を与える

これは絶対に避けてください。東京都立小児総合医療センターの専門医によると、強制的な排尿訓練は膀胱機能を崩す可能性があり、将来の尿失禁や膀胱の過活動性につながるリスクがあるとされています。

NG2:無理やりトイレに座らせる

力ずくでの訓練は、トイトレの退行(できていたのにできなくなる)の原因になります。お子さんが嫌がったら、無理強いせずに一度やめましょう。

NG3:周囲の子どもと比較する

「○○ちゃんはもうオムツ外れたのに…」という比較は、お子さんにプレッシャーをかけ、トイレにネガティブなイメージを持たせてしまいます。

NG4:「今のうちにしておきなさい」と言う

この言葉がけは、将来の頻尿・尿漏れにつながる可能性が指摘されています。お子さんの自然な尿意を大切にしましょう。

NG5:不安定な時期に開始する

引っ越し、弟妹の誕生、入園直後など、心理的に不安定な時期は避けましょう。お子さんが落ち着いている時期を選んでください。

よくある失敗パターンと対処法

トイレを嫌がる・怖がる場合

暗い・狭い空間への恐怖や、水の音・流れが怖いことが原因かもしれません。

トイレを明るく楽しい空間に演出したり、便座の水跳ね防止にトイレットペーパーを水面に敷いたりしてみてください。絵本や動画でトイレについて楽しく学ばせるのも効果的です。

できていたのにできなくなった(退行)場合

弟妹の誕生、病気、環境変化などが原因となることがあります。叱らず責めず、トイレ以外の場面でたくさん関心を向けてあげましょう。一時中断して様子を見ることも有効です。

便秘で排便を怖がる場合

うんちが硬くて痛い経験から「排便=痛いもの」と認識してしまうことがあります。この場合は便秘治療を優先し、トイトレは便秘改善後に再開しましょう。

夜間のオムツ外しについて

夜間のオムツ外れは昼間より時間がかかります。これは抗利尿ホルモンの夜間分泌という生理的なメカニズムが関係しており、意志の力でコントロールできるものではありません。

夜間のオムツは5歳頃までに外れることが多いとされています。夜間オムツが濡れなくなる日が増えてきたら、防水シーツを敷いて様子を見てみましょう。

なお、夜中に起こしてトイレに行かせることは推奨されていません。日本小児心身医学会によると、かえって夜尿が悪化する場合があるとされています。

こんなときは受診を

以下のような場合は、小児科・泌尿器科への相談をおすすめします。心配なときは迷わず専門家に相談してくださいね。

できるだけ早めに受診

  • 排尿時に痛みを訴える
  • 尿の色がおかしい(血尿、濁りなど)
  • 急におもらしが始まった(以前はできていたのに)
  • 排便時に激しく泣く、肛門から出血がある

近いうちに相談を

  • 4歳を過ぎても頻繁におもらしがある
  • 5歳を過ぎても週に何度も夜尿がある
  • 便秘がひどく、トイトレに支障をきたしている
  • 排泄を極端に怖がり、トイトレが全く進まない

様子を見ながら必要に応じて相談

  • 就学年齢(6歳頃)になっても昼間のおもらしが続く
  • 小学校入学後も夜尿が続く
  • 発達面で気になることがあり、トイトレの進め方に悩んでいる

まとめ

  • トイトレの開始時期は2歳半〜3歳頃が目安。ただし個人差が大きいので焦らないで
  • 7つのレディネスサインを確認してから始めよう
  • 「焦らない・叱らない・比較しない」が成功の三原則
  • 失敗しても絶対に叱らない。強制的なトレーニングは将来の排尿トラブルにつながる可能性あり
  • 4歳を過ぎても頻繁におもらしがある場合は、小児科・泌尿器科への相談を

トイトレは、お子さんの成長を見守る大切な時間です。「いつかは必ずできるようになる」という気持ちで、親子で楽しく取り組んでくださいね。うまくいかないときは一人で抱え込まず、かかりつけの小児科や保育園の先生にも相談してみてください。

📚 参考文献・引用元

⚠️ ご注意(免責事項)

  • 本記事は情報提供を目的としており、医師の診断・治療の代替となるものではありません。
  • お子さまの症状や状態には個人差があります。気になる症状がある場合は、必ず医療機関を受診してください。
いつもシェアして下さりありがとうございます!少しでも色んな人に知識が行き渡りますように...!

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