【小児科看護師解説】子どもの肥満が気になる親へ|原因と家庭でできる対策

Childhood obesity causes and countermeasures 子育て

「健診で体重が多めと言われた」「同じ年齢の子より明らかにぽっちゃりしている」「このまま太り続けたらどうしよう…」

お子さんの体型が気になって、不安を感じているママ・パパは少なくありません。でも、成長期の子どもにむやみなダイエットをさせるのは逆効果になることも。大切なのは、正しい知識を持って、家族みんなで無理なく生活習慣を整えていくことです。

この記事では、小児科看護師歴7年のまろんが、0〜6歳のお子さんの肥満について、判定の基準から家庭でできる具体的な対策まで、エビデンスに基づいてわかりやすくお伝えします。

この記事でわかること

  • 子どもの肥満かどうかを判断する基準(肥満度・カウプ指数)
  • 幼児期に肥満になりやすい原因とリスク要因
  • 家庭で今日からできる食事・運動・睡眠の対策
  • 病院に相談すべき受診の目安
  • やってはいけないNG対応

そもそも「子どもの肥満」ってどう判断するの?

「見た目でぽっちゃりしているから肥満」というわけではありません。日本では、お子さんの年齢・性別・身長に応じた「標準体重」と比較して判断します。

幼児期(1〜6歳)の肥満判定には「肥満度」を使います

肥満度は次の計算式で求められます。

肥満度(%)=(実際の体重 − 標準体重)÷ 標準体重 × 100

幼児期(1〜6歳未満)では、肥満度+15%以上で「太りぎみ」と判定されます。これは学童期(+20%以上)より厳しい基準で、早めに気づいて対策できるよう設定されています。

肥満度 判定
+30%以上 太りすぎ(高度肥満)
+20%〜+30%未満 やや太りすぎ
+15%〜+20%未満 太りぎみ
−15%〜+15%未満 ふつう

乳児〜5歳頃は「カウプ指数」も参考になります

カウプ指数は、大人のBMIと同じ計算式(体重kg÷身長m÷身長m)で求められますが、判定基準は年齢によって異なります。3〜5歳では14.5〜16.5が正常範囲とされています。

ただし、0歳の赤ちゃんについては、病気が原因でない限り「ぷくぷくしていても心配いらない」とされていますので、過度に気にしなくて大丈夫ですよ。

なぜ幼児期に肥満になるの?主な原因

小児肥満の原因は、遺伝的な要因が約30%、生活環境が約70%と考えられています。つまり、生活習慣の見直しで予防・改善できる部分が大きいということです。

よくある原因・リスク要因

  • 食生活の乱れ:高カロリー・高脂質なものの食べすぎ、早食い、時間を決めない間食、ジュースや清涼飲料水の習慣的な摂取
  • 運動不足:外遊びの減少、室内でのゲームやテレビ視聴が中心の生活
  • 睡眠不足:睡眠時間が短いと、食欲を増やすホルモンが増え、満腹感を感じにくくなると言われています
  • スクリーンタイムの長さ:テレビやスマホの視聴時間が1日2時間以上になると肥満リスクが上がるという報告があります
  • 親御さんの肥満:両親が肥満の場合、お子さんの肥満リスクは高くなることがわかっています

「心配しすぎなくていい」ケース

以下のような場合は、すぐに心配しなくても大丈夫なことが多いです。

  • 0歳〜1歳頃で、ぷくぷくしているが元気に発育している
  • 健診で「やや大きめ」と言われたが、肥満度+15%未満で成長曲線の範囲内
  • 一時的に体重が増えたが、身長も順調に伸びている

成長期は身長がぐんと伸びる時期もあり、一時的にぽっちゃりしても自然と落ち着くこともあります。大切なのは、成長曲線を継続的に記録して変化を見守ることです。

家庭でできる対策|食事・運動・睡眠の3つの柱

幼児期の肥満予防で大切なのは、「体重を減らす」のではなく「身長が伸びる間に体重増加をゆるやかにする」という考え方です。成長期に無理な食事制限をすると、発達に必要な栄養が不足してしまう恐れがあります。

食事面でできること

  • 1日3食を規則正しく:朝食抜きは肥満のリスクを高めると言われています
  • 大皿盛りをやめて個別に盛り付ける:適量を目で見てわかるようにしましょう
  • 野菜・海藻など「噛める」メニューを増やす:よく噛むことで満腹感を得やすくなります
  • 間食は時間と量を決めて:「補食」として適量を決めた時間に
  • ジュースより水・お茶を基本に:糖分の摂りすぎを防ぎます
  • 夜20時以降の食事は避ける:体脂肪がつきやすくなります
  • テレビを消して食事に集中:「ながら食べ」は食べすぎにつながりやすいです

運動・身体活動でできること

  • 毎日60分以上の身体活動を目標に:特別な運動でなくても、公園遊びやお散歩でOKです
  • 楽しく体を動かす習慣を:親子で一緒に遊ぶと続けやすくなります
  • 室内でも体を使った遊びを取り入れて:ダンスや体操遊びなど

睡眠・生活リズムでできること

  • 十分な睡眠時間を確保:1〜2歳は11〜14時間、3〜5歳は10〜13時間が目安です
  • 就寝時刻は21時台が理想的:早寝早起きで生活リズムを整えましょう
  • 寝る1時間前からスマホ・テレビはオフ:睡眠の質に影響します

スクリーンタイムの目安

  • 2歳未満:できるだけスクリーンタイムなし
  • 2〜5歳:1日2時間以内(できれば1時間以内)
  • 寝室にスマホやタブレットを持ち込まない

やってはいけないNG対応

  • 厳しい食事制限をする:成長に必要な栄養が不足してしまいます
  • 「太っているからダメ」と叱る:自己肯定感が下がり、ストレスで過食につながることも
  • 特定の食品を完全に禁止する:かえって執着してしまうことがあります
  • 子どもだけに我慢させる:家族みんなで同じ食事・生活習慣を心がけましょう

こんなときは受診を|病院に相談する目安

以下のような場合は、かかりつけの小児科や専門外来への相談をおすすめします。

早めに受診したほうがよいケース

  • 肥満度が+30%以上の高度肥満
  • 肥満度がどんどん増えていて止まらない
  • 両親に肥満があり、お子さんの体重増加が著しい
  • 生活習慣を見直しても効果が見られない
  • 運動するとすぐ息切れする、いびきがひどい

特に注意が必要なケース

  • 身長の伸びが悪くなっている肥満:通常の肥満では身長もよく伸びますが、身長が伸びにくい場合はホルモンの問題など他の原因が隠れている可能性があります
  • 乳児期から極端に体重が増え続けている

受診すると何をするの?

小児肥満の外来では、身長・体重の測定や成長曲線の確認、必要に応じて血液検査などを行い、お子さんに合った生活指導をしてもらえます。「病院に行く=厳しいダイエットを強いられる」わけではありませんので、気軽に相談してみてくださいね。

まとめ

  • 幼児期の肥満は「肥満度+15%以上」で判定。0歳のぷくぷくは基本的に心配不要
  • 原因の約70%は生活習慣。食事・運動・睡眠を家族みんなで見直すことが大切
  • 「体重を減らす」のではなく「身長が伸びる間に体重増加をゆるやかにする」が目標
  • スクリーンタイムは2歳未満はなし、2〜5歳は1日2時間以内を目安に
  • 肥満度+30%以上、身長の伸びが悪い肥満、生活改善しても効果がない場合は受診を

「うちの子、大丈夫かな?」と心配になる気持ち、よくわかります。でも、幼児期は生活習慣を見直すことで改善しやすい時期でもあります。一人で抱え込まず、心配なときはかかりつけ医や保健師さんに相談してくださいね。家族みんなで楽しく健康的な生活を送ることが、お子さんの将来の健康につながりますよ。

📚 参考文献・引用元

⚠️ ご注意(免責事項)

  • 本記事は情報提供を目的としており、医師の診断・治療の代替となるものではありません。
  • お子さまの症状や状態には個人差があります。気になる症状がある場合は、必ず医療機関を受診してください。
  • 記事内の数値や基準は、記事執筆時点の情報に基づいています。最新の情報は各公的機関の発表をご確認ください。
いつもシェアして下さりありがとうございます!少しでも色んな人に知識が行き渡りますように...!

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