料理酒 アルコール 飛ばす時間|小児科看護師が教える5つの対処法

症状ケア

料理酒のアルコールって本当に飛ぶの?

「煮物に料理酒を使ったけど、子どもに食べさせても大丈夫かな」そんな不安を感じたこと、ありませんか?私も子育て中の親として、初めて離乳食から幼児食に移行する時期に同じように悩んだ経験があります。

小児科で働いていると、料理酒やみりんの使用について相談を受けることも少なくないんですね。結論から言うと、料理酒のアルコールは加熱することで大部分が飛びますが、完全にゼロにするのは難しいというのが実際のところです!

でも安心してください。適切な方法で加熱すれば、子どもに影響しないレベルまで減らせるんです。今回は、料理酒のアルコールを効果的に飛ばす時間と方法を、実体験も交えながらお伝えしていきますね。

アルコールが飛ぶメカニズムを知っておこう

まず基本的なことをお話しすると、料理酒に含まれるアルコール(エタノール)の沸点は約78℃なんです。水の沸点が100℃ですから、料理酒は水よりも先に蒸発し始めるわけですね。

ただし、ここが大事なポイントなんですが、沸点に達したからといってすぐに全てのアルコールが飛ぶわけではありません!料理の中に入り込んだアルコールは、糖質や脂質、タンパク質と混ざり合って、蒸発しにくい状態になっているんですね。

実際の研究では、15分程度しっかり加熱してもアルコール度数を完全にゼロにするのは困難で、長時間煮込んでも5%程度は残ると言われています。加熱時間が短い料理では10〜50%残ることもあるそうです。

とはいえ、一般的な料理で使う料理酒の量は大さじ1〜2杯程度。その中のアルコール分はもともと少量ですから、適切に加熱すれば子どもにも安心して食べさせられる量になるでしょう。

【対処法1】鍋で煮切る基本の方法

まずは最も一般的な方法、鍋で煮切る方法からご紹介しますね。これが料理酒のアルコールを飛ばす基本中の基本です!

料理酒を使う料理を作る時は、料理酒を加えた後、沸騰してから最低3分以上は煮込むようにしましょう。この時間が一つの目安になります。煮物などでは自然と長時間加熱することになるので、特に気にする必要はないと思います。

私の経験では、火力は中火がおすすめですね。強火だと食材が焦げる心配がありますし、弱火だと時間がかかりすぎてしまいます。グツグツと煮立っている状態を3分以上キープすれば、アルコール臭はかなり飛んでいるはずです。

蓋をする場合は、必ず蒸気の逃げ道を作ってあげてくださいね。蒸気穴がついている蓋なら問題ありませんが、密閉してしまうとアルコールがうまく飛ばないことがあるんです。蓋を少しずらして隙間を作るだけでOKです!

【対処法2】電子レンジで時短する方法

「少量の料理酒だけ先にアルコールを飛ばしたい」そんな時に便利なのが電子レンジです。私も忙しい日はよくこの方法を使っていますよ。

深めの耐熱容器に料理酒を入れて、ラップはせずに電子レンジへ。600Wで50秒〜1分程度が目安です。料理酒大さじ1なら50〜60秒、大さじ2なら1分〜1分半くらいでしょうか。

沸騰してからさらに数秒間は加熱を続けるのがポイントですね。取り出す時は必ず熱くなっているので、やけどには十分注意してください!小さなお子さんがいる場合は、手の届かない場所で冷ましてから使いましょう。

電子レンジで煮切った料理酒は、鍋で煮切ったものに比べると香りは控えめになります。でも、安全性と手軽さを考えると、忙しい日の強い味方になってくれるはずです。

【対処法3】表面積を広げる裏技

実は、使う鍋の大きさでもアルコールの飛び方が変わるって知っていましたか?これ、意外と知られていないポイントなんです。

小さな鍋よりも、フライパンのように表面積が広い調理器具を使う方が、アルコールは早く飛んでいきます。実際の実験でも、同じ時間加熱した場合、大きいフライパンの方が小さい鍋よりもアルコールが残りにくいという結果が出ているんですよ。

私が煮切り酒を作る時は、小さな片手鍋ではなく、底の広いフライパンや浅めの鍋を使うようにしています。表面積が広い分、蒸発する面積も広くなるわけですね!

特に料理酒を多めに使う料理の場合は、この方法を意識すると効率よくアルコールを飛ばせるでしょう。

【対処法4】煮切り酒を作り置きする

よく料理酒を使う方におすすめなのが、煮切り酒の作り置きです。おひたしや酢の物など、加熱しない料理に使う時には特に便利ですよ。

作り方は簡単で、料理酒を鍋に入れて火にかけ、沸騰してから3分程度煮立たせるだけ。冷めたら清潔な保存容器に入れて、冷蔵庫で保存しましょう。

ただし注意点があって、煮切り酒は普通の料理酒よりも保存性が低下するんです。アルコールが飛んでしまうと、防腐効果も弱まってしまうんですね。ですから、作ったその日か遅くとも翌日には使い切るようにしてください。

私は週末に少量だけ作り置きして、その週のうちに使い切るようにしています。風味もまろやかになって、料理の味がグッと良くなる気がしますよ!

【対処法5】においで確認する方法

「本当にアルコールが飛んだか心配」という時の最終確認方法をお伝えしますね。実は、においで判断するのが一番確実なんです。

アルコールが十分に飛ぶと、あのツンとした独特のにおいが消えます。煮立っている鍋やフライパンに顔を近づけて(やけどしないように気をつけて!)、においを確認してみてください。アルコール臭がなく、まろやかな香りになっていれば大丈夫でしょう。

心配な場合は、少量を取って冷ましてから味見するのもいいですね。アルコールのピリッとした感じがなければ、しっかり飛んでいる証拠です。

ただし、完璧を求めすぎる必要はないと思います。一般的な料理で使う量なら、3分以上加熱していればほとんどのアルコールは飛んでいるはずですから!

子どもに食べさせる時の注意点

ここからは小児科看護師としての視点も交えて、子どもに料理酒を使った料理を食べさせる時の注意点をお話ししますね。

月齢・年齢による使い分け

離乳食初期〜中期(生後5〜8ヶ月頃)は、料理酒の使用は控えた方が良いでしょう。この時期は素材の味を覚える大切な時期ですし、胃腸の発達も未熟なんですね。

離乳食後期〜完了期(生後9ヶ月〜1歳半頃)になると、ごく少量であればしっかり加熱すれば使えます。ただし、大人の料理から取り分ける時は、料理酒を加えた後に通常より長めに加熱することを意識してください。

幼児食期(1歳半以降)になれば、一般的な料理に使う量であれば問題ないことが多いです。それでも、しっかり加熱することは忘れずに!

料理酒と日本酒の違い

実はこれ、意外と大事なポイントなんです。スーパーで売られている「料理酒」の多くには、食塩や添加物が含まれているんですね。塩分は約2%も入っていることがあります。

子どもに使う場合は、添加物の少ない清酒(日本酒)を選ぶ方が安心かもしれません。酒税がかかる分、少し値段は高くなりますが、純粋なお米のエキスだけでできているので、私は子ども用の料理には清酒を使うようにしています。

アレルギー体質の子どもは特に注意

アルコールに敏感な体質の子どももいます。特にアレルギー体質の子どもや、普段から食べ物に敏感な子どもの場合は、より慎重になった方が良いでしょう。

初めて料理酒を使った料理を食べさせる時は、平日の昼間など、何かあった時にすぐ病院に行ける時間帯を選んでくださいね。そして、食後の様子をよく観察することが大切です。

こんな症状が出たら受診を検討して

料理酒を使った料理を食べた後に、もしお子さんに以下のような症状が見られたら、念のため医療機関への相談を検討してください。

  • 顔が赤くなったり、ぼーっとした様子が見られる
  • 機嫌が悪くなり、泣き止まない
  • 吐き気や嘔吐がある
  • いつもより呼吸が荒い、または浅い
  • ぐったりして元気がない
  • 発疹やかゆみが出てきた

ただし、これらの症状は必ずしもアルコールが原因とは限りません。食物アレルギーや体調不良の可能性もありますので、落ち着いて状況を観察することが大切です。

小児科で働いていて実際に見たケースでは、アルコール含有量の多い洋菓子を食べた幼児が、急性アルコール中毒のような症状を起こしたことがありました。一般的な料理に使う料理酒の量であれば、適切に加熱していればこのような心配はほとんどないと思いますが、念のため知っておいていただきたいですね。

まとめ:過度な心配より適切な対処を

料理酒のアルコールを飛ばす時間について、いろいろとお伝えしてきました。最後にもう一度、重要なポイントをまとめますね!

料理酒のアルコールは、沸騰してから3分以上加熱すれば、子どもに影響しないレベルまで減らせます。電子レンジなら50秒〜1分が目安です。完全にゼロにするのは難しいですが、一般的な料理で使う量なら過度に心配する必要はないでしょう。

大切なのは、適切な方法でしっかり加熱すること。そして、子どもの月齢や体質に合わせて使い始める時期を考えることですね。迷った時は「使わない」という選択肢もありますし、だしや他の調味料で十分美味しい料理は作れますから!

料理酒を使うことで、確かに料理の味わいは深まります。でも、子どもの健康と安全が第一。無理に使う必要はないということも、頭の片隅に置いておいてくださいね。

日々の食事作り、本当にお疲れ様です。この記事が少しでも皆さんの不安を和らげる助けになれば嬉しいです!

参考資料

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