子どもの発熱、まずは落ち着いて!
夜中に子どもの体が熱い…体温計を見ると38度超え。どうしよう、すぐ病院に行くべき? それとも朝まで待っても大丈夫? こんな経験、私も何度もあります!
小児科で働いていても、わが子が熱を出すとドキドキするんです。でも大丈夫。熱の高さだけで慌てる必要はありません。大切なのは「お子さんの様子をよく見ること」なんですね。
この記事では、年齢別の受診目安と夜間の対応を具体的にお伝えします。読み終わったら、少し不安が軽くなると思いますよ!
発熱=悪者じゃない! 体が頑張ってる証拠です
そもそも発熱って、ウイルスや細菌と戦うための体の正常な反応なんです。体温を上げることで、病原体の増殖を抑えているわけですね。
子どもは大人より簡単に40度近い熱を出します。でも、それで脳に障害が出ることは、ほぼありません。熱の高さより、お子さんの全身状態が大事なんです!
元気に遊んでいる、水分が取れている、視線が合う…こんな様子なら、38度でも39度でも、慌てて夜間に受診する必要はないことが多いんですよ。
【年齢別】受診目安をチェックしよう
生後3ヶ月未満の赤ちゃん(最重要!)
これだけは絶対に覚えておいてください! 生後3ヶ月未満で38度以上の発熱がある場合は、元気そうでもすぐに受診が必要です。
この時期の赤ちゃんは免疫が未熟で、重症化しやすいんですね。髄膜炎や敗血症など、怖い病気が隠れている可能性があります。特に生後1ヶ月未満は夜間でも緊急受診を検討してください。
ただし、着せすぎや部屋の暖めすぎで体温が上がっていることもあります。薄着にして30分ほど様子を見て、それでも38度以上なら受診しましょう。
生後3〜6ヶ月の赤ちゃん
夜間・休日に発熱した場合、ぐっすり眠れているなら朝まで様子を見て、診療時間内に受診で大丈夫なことが多いです。
でも、機嫌が悪い、哺乳量が明らかに少ない、ぐったりしている場合は、時間外でも受診してくださいね。
生後6ヶ月〜6歳
この年齢になると、お母さんからもらった免疫が切れて、いろんな病気にかかり始めます。保育園に行き始めると、月に2〜3回熱を出すことも珍しくありません!
診療時間内に受診する目安:
- 38度以上の発熱が3日以上続いている
- 咳がひどくて眠れない
- 元気がなく、ぼーっとしている
- 食欲がなく、水分もあまり取れていない
- 発熱に加えて発疹が出てきた
様子を見てOKな場合:
- 熱はあるけど、比較的元気に遊んでいる
- 水分がしっかり取れている
- いつも通りに眠れている
- 視線が合う、笑顔が見られる
私の経験では、解熱剤で熱を下げたときに元気が出てくるなら、それほど心配いらないことが多いですよ。
【夜間・休日】こんな症状は緊急受診!
時間外でも迷わず受診、または救急車を呼ぶべき症状をまとめました。スマホのメモに保存しておくと安心です!
- 生後3ヶ月未満で38度以上の発熱
- 呼びかけても反応が鈍い、ぐったりしている
- 呼吸が苦しそう(肩で息をしている、ゼーゼー、ケンケンという咳)
- けいれんを起こした(初めての場合は特に)
- 水分が取れず、尿が半日以上出ていない
- 唇が乾いている、泣いても涙が出ない(脱水のサイン)
- 嘔吐や下痢を何度も繰り返している
- 首を前に曲げるのを嫌がる、激しい頭痛を訴える
- 皮膚に紫色の斑点が出てきた
判断に迷ったら、こども医療電話相談(#8000)に電話するのもいいですよ。看護師や小児科医がアドバイスしてくれます!
解熱剤、いつ使う? 正しい使い方
使うタイミングは「熱の高さ」より「つらさ」で判断
よく「38.5度以上になったら使いなさい」と言われますが、私は「お子さんがつらそうかどうか」で判断してほしいと思います。
40度近くても元気に遊んでいるなら、無理に使わなくてOK。逆に38度台でも、しんどくて眠れない、水分も取れないなら使ってあげましょう。
解熱剤は病気を治す薬じゃなくて、症状を和らげる対症療法なんですね。一時的に楽にして、その間に水分や食事を取ったり、ぐっすり眠って体力を温存させる…それが目的です。
子どもに安全なのは「アセトアミノフェン」
小児科で処方されるのは、ほぼ間違いなくアセトアミノフェンです。商品名だとカロナール、アンヒバ、アルピニーなど。市販薬では小児用バファリンもアセトアミノフェンですよ。
使い方の基本:
- 6〜8時間以上の間隔をあける(絶対守って!)
- 1日2〜3回まで
- 飲み薬も座薬も効果は同じ
- 効果は1時間後くらいから現れ、下がるのは1度前後
「解熱剤を使ったのに熱が下がらない」という声もよく聞きますが、それは病気の勢いが強いだけ。薬が効いていないわけじゃありません。下がらないからって、短時間で追加するのは絶対NGです!
生後6ヶ月未満は慎重に
小さな赤ちゃんは体温を下げすぎてしまうことがあるので、医師に相談してから使うほうが安心です。
おうちでのケア、これだけは押さえて!
水分補給が最優先
発熱中は汗だけじゃなく、呼吸や皮膚からもどんどん水分が失われます。こまめな水分補給が本当に大事!
おすすめの飲み物:
- 授乳中:母乳、ミルク
- 離乳後:経口補水液、子ども用イオン飲料、麦茶、湯冷まし
経口補水液が理想的ですが、味が苦手な子も多いですよね。その場合は、本人が飲んでくれるものでOK。水分が取れているかが最重要です。
体温調節は「手足」で判断
熱が上がり始めで手足が冷たいとき→温かくしてあげる
熱が上がりきって手足が熱いとき→薄着にして、必要なら冷やす
冷やすならおでこじゃなく、わきの下や首の両側が効果的です。でも、嫌がるなら無理強いしなくて大丈夫ですよ!
食事は無理しなくてOK
水分さえ取れていれば、1〜2日食べなくても問題ありません。食べられそうなら、消化の良いもの(お粥、うどん、バナナ、ヨーグルトなど)を少量ずつ。
油っこいものや繊維の多いものは避けましょうね。
お風呂は? 汗をかいたら?
ぐったりしていなければ、さっとシャワーを浴びるのはOK。汗で体がベタベタしていると不快ですからね。
ただし、ぬるめのお湯で短時間に。湯冷めに注意してください。元気がないときは、濡れタオルで体を拭くだけでも十分です。
【印刷用】夜間対応チェックリスト
以下のチェックリストを印刷して、冷蔵庫や救急箱に貼っておくと安心です!
□ 年齢は?(生後3ヶ月未満は要注意)
□ 体温は何度?
□ 呼びかけに反応する?
□ 水分は取れている?
□ 尿は出ている?(半日以上出ていないと危険)
□ 呼吸は苦しそうじゃない?
□ けいれんはない?
□ 解熱剤で少しでも楽になる?
これらの質問に「大丈夫」と答えられるなら、朝まで様子を見てもいいことが多いです。一つでも心配な項目があれば、#8000に相談か、受診を検討しましょう。
看護師ママからのメッセージ
子どもの発熱って、本当に心配ですよね。特に初めてだと、パニックになる気持ち、すごくわかります!
でも、お子さんをいちばんよく知っているのは、ほかでもないお父さん・お母さんです。「いつもと違う」その感覚を信じてください。迷ったら、遠慮なく医療機関に相談していいんですよ。
私たち医療者は、そのためにいるんですから!
発熱は、子どもが免疫力をつけていく大切なプロセスでもあります。焦らず、ゆったりと見守ってあげましょうね。
参考資料
- 日本小児科学会 – 新型コロナウイルス感染症等流行時における小児の発熱時の対応について
- 赤ちゃんの発熱―生後3か月未満の発熱で注意すべき疾患 – メディカルノート
- キッズドクター – 子どもが発熱したときの看病のポイント
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