座薬が戻ってしまう時のコツと代替案|小児科看護師が教える対処法

症状ケア

座薬が戻ってしまうのは本当によくあること!

高熱でぐったりしている我が子に座薬を入れようとしたら、するっと出てきてしまった…。そんな経験、ありませんか?私も何度も経験していますし、小児科で働いていると「座薬がうまく入らなくて」というご相談は本当に多いんです。

焦りますよね。でも大丈夫!座薬が戻ってしまうのは珍しいことではありません。子どもは大人と違って肛門括約筋の力が強かったり、嫌がって力んでしまったりするので、むしろ「入りにくい」のが普通なんです。

今回は小児科での経験と、自分の子育てで試してきた方法をもとに、座薬をうまく入れるコツと、それでもダメだった時の考え方をお伝えしていきますね。

座薬をうまく入れる5つのコツ

入れる前の準備が成功の8割!

まず座薬は冷蔵庫から出してすぐではなく、少しだけ常温に近づけておくと扱いやすくなります。といっても溶けるほど放置しちゃダメですよ!手で握って1〜2分、ほんのり柔らかくなる程度で十分です。

そして意外と大事なのが、座薬の先端を少し濡らすこと。水やベビーオイル、ワセリンなどで滑りをよくしておくと、スムーズに入りやすくなるんですね。私はいつも水道水でさっと濡らしています。

子どもの体勢も重要なポイント!小さい子なら横向きに寝かせて、上側の足を軽く曲げた姿勢が一番入れやすいと思います。赤ちゃんならおむつ替えの時のように仰向けで両足を持ち上げる方法でもOKです。

入れ方の実践テクニック

さて、いよいよ挿入です。ここでのコツは「まっすぐ」ではなく「お腹側に向かって」入れること!肛門から入れて、背骨の方ではなくおへその方向に向けて押し込むイメージですね。

入れる深さは大人の指の第一関節くらいまで。浅すぎるとすぐ出てきてしまいますし、深く入れすぎようとすると子どもが嫌がって力んでしまうんです。ちょうどいい深さを見つけるのには少し練習が必要かもしれません。

そして挿入したら、すぐに手を離さないこと!これがとっても大切なんです。肛門を指で軽く押さえながら、10秒から20秒くらいそのままキープしてください。この間に直腸の奥に座薬が入っていくわけです。

入れた後の固定が勝負!

座薬を入れたら、おしりをティッシュやガーゼで軽く押さえながら、両足をぴったり閉じた状態で寝かせましょう。できれば5分から10分はそのままの姿勢をキープしてほしいところです。

でも現実には「じっとしてて!」なんて無理ですよね。うちの子も動き回って困りました!そんな時は、おむつをしっかり履かせてズボンも履かせてしまうと、物理的に出にくくなります。締め付けすぎない程度に、ですけどね。

絵本を読んだり、好きな動画を見せたりして、少しでも静かにしてもらう工夫も効果的でしょう。「おしりさんが頑張ってるから応援しようね」なんて声かけをすると、意外と協力してくれることもありますよ!

それでも戻ってしまった時の判断基準

さて、色々試してもやっぱり座薬が出てきてしまった…そんな時、もう一度入れ直すべきか迷いますよね。私自身も何度も悩んできました。

基本的な考え方としては、入れてから5分以内に形がそのまま出てきた場合は、もう一度入れ直してもいいと思います。ただし、座薬が溶けかけていたり、入れてから10分以上経っている場合は、すでに薬の成分が吸収されている可能性があるので入れ直さない方が安全でしょう。

判断に迷った時は、まず体温を測ってみてください。熱が下がり始めていたり、子どもの様子が少し楽になっているようなら、座薬は効いている証拠かもしれません。無理に入れ直す必要はないんですね。

そして何より大切なのは、わからない時は病院に電話で相談することです!「こんなことで電話していいのかな」なんて遠慮する必要は全くありません。特に初めての発熱や、子どもの様子がいつもと違う時は、遠慮せず相談してくださいね。

座薬以外の選択肢も考えてみる

実は座薬が絶対に必要というわけではないんです。解熱剤には飲み薬のシロップや粉薬、錠剤もありますし、痛み止めも同じように色々な形があります。

座薬のメリットは、吐いてしまっても効果があることと、飲めない子にも使えること。でも逆に、入れるのが難しかったり、子どもが嫌がって暴れたりするデメリットもあるわけです。飲み薬なら味付けがされていて飲みやすいものも多いですし、吐き気がなければ十分選択肢になります。

次回の診察時に「座薬がうまく使えなかったので、飲み薬に変えてもらえませんか」と相談してみてください。多くの場合、代替の薬を出してもらえると思います。どちらが正解ということはなくて、その子に合った方法を選べばいいんです!

また、そもそも解熱剤を使うタイミングも考えてみましょう。38.5度以上で本人がつらそうな時に使うのが基本ですが、熱があっても元気に遊んでいるなら無理に下げる必要はないという考え方もあります。熱は体が病気と戦っている証拠でもあるんですね。

最後に:完璧を目指さなくて大丈夫!

座薬を入れるのって、本当に難しいですよね。特に初めての時は手が震えてしまったり、子どもが泣いて暴れたりして、親の方がパニックになってしまうこともあると思います。

でも何度か経験していくうちに、だんだんコツがわかってきます。そして子ども自身も成長して、「これをすると楽になるんだ」と理解してくれるようになるんですね。今うまくいかなくても、それは親として失格なんかじゃありません!

入れられなかったら飲み薬に変えてもらえばいいし、どうしても薬が使えなかったとしても、水分補給と安静で様子を見るという選択肢もあります。大切なのは子どもの様子をよく観察して、必要な時に適切な医療につなげることだと思います。

完璧な方法なんてないんです。試行錯誤しながら、その時その時でベストを尽くす。それが子育てであり、看護でもあるんじゃないでしょうか。みんな同じように悩んで、同じように試行錯誤しています。一緒に頑張りましょうね!

参考資料

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