この記事を読むことでお腹の不快感の元である「便秘」を改善する方法を理解することができます。一般的に言われる「便秘」の場合、簡単にできるものから少し時間のかかるものまでありますので、一つ一つ自分に合った形にして実施していただけたらとおもいます。
さて一般的な「便秘」と強調して言いますが、皆さんは便秘の定義をご存知でしょうか?何を持って便秘というのでしょう。はじめに定義から見ていきましょう!
便秘
定義
日本小児看護学会の辞典によりますと、「排便の回数が減る・便量の減量・便が固く不快等」とされています。この定義だと「私の子供は便秘だ!」というのは難しいかもしれません。
そこで、小児慢性機能性便秘症というガイドラインの定義を見てみましょう。小児慢性機能性便秘症とは、排便回数が少なく、便量も少ない、コロコロの便である等、腸の構造に問題はないものの便秘とされるものというイメージです。
ガイドラインの定義によりますと「便が滞り、便が出にくい状態」であり、便秘症は「便秘や便秘の症状が出始め、治療を有する状態」としています。
みなさんが思っている便秘という状態はもしかしたら慢性機能性便秘症の診断定義と同じかもしれません。
慢性機能性便秘症の診断定義は以下です。
上の図でもあるように1週間に2回以下、つまり、三日に1回程度である場合は便秘と疑うとされてます。
健康な便の性状について詳しくはこちらをご覧ください。(すくすく育て!オムツ交換する際は我が子の健康チェック!私たち親にできる簡単な健康チェック法!)
便秘のケア6選!
便秘のケアポイントとして6ポイントあります。
詳しくは、(乳幼児〜学童期の排便の性状について)で解説していますが、便は食べ物が吸収された残りカスです。残りカスに水分が多分に含まれると下痢、適量だと出しやすく、少なすぎると硬い便になります。便は腸の動きで肛門に追いやられ、肛門に到着すると便意を感じ排便をします。
つまり、食べる量や食物繊維(身体に吸収されない)が多ければ便量が適量になり、適量の水分を取ることで便を柔らかく、腸の動きを良くすれば快便になる。ということです。
ここでは一般的な離乳食以降のケアポイントについて触れていきます!
①食事内容の見直し
上記でも述べましたが、消化吸収の良いものを食べるのはもちろん、食物繊維にも気をつけ野菜や根菜類を摂取しましょう。食物繊維の幼児〜学童期の摂取量はデータがありませんが、子供の食事は親の食習慣がそのまま反映されると考えると親世代では食物繊維不足が言われているため、子供も不足している可能性があります。また摂取量のデータがないため、どの程度取るのかは目標量として算出されています。年齢によって摂取量が異なりますのでこちらのリンク参照ください。
②排便リズムの確立
一言で言ってしまえば「生活リズムを整えること」ということです。生活リズムを整える方法としては、毎日同じ時間に食事をする、睡眠をする、歯磨きをする、便意がなくても同じ時間に便をしにトイレに行く、等です。
ちなみにポイント③でもお伝えしますが、食後30分ぐらいで腸の動きが活発になり便の運搬がされます。朝食後、30分を目安にトイレに行き排便習慣をつけることがいいとおもいます
快便を目指すのであれば、排便時間も考慮し起床時間も調整したいところです。ただ、排便習慣の獲得を目指す上で、時間に縛られるのも良くありません。排便を抑制、つまり便を我慢してしまうと便意を感じにくくなる恐れがあるからです。想定した排便時間外でも排便したくなったら出すに限ります。
③腸蠕動の促進
腸蠕動と記載しましたが、腸の動きのことです。通常、腸はリラックスしている時(副交感神経優位)に活発に動いており、体を動かしているとき(交感神経優位)の腸の動きは緩慢です。
リラックスを促すものとしてはマッサージや腹部・腰部を温めること(適温)、沐浴・入浴などです。ポイント②にも記しましたが、決まった時間に散歩に行くのもいいでしょう。散歩先は公園や木々があるところだと尚よいです。外に出る事で交感神経も刺激され自律神経が整います。
森林浴や川の流れる音などはバイオフィリアと言って自然と一体になる感覚があると自律神経が整います。積極的に取り入れていきましょう!
④精神安定への援助
ポイント③と重なるところがありますが、精神が不安定の状態は交感神経が優位な状態にあると言えます。適度なストレスは人を成長させますが、過度になりすぎると健康に被害が出るほどとなるのはニュース等でも報道されています。
子供の場合、自分から発することが難しかったり、言葉を知らず、親に伝えるのができないことで癇癪してしまったりすることもありますので、親である私たちが温かく、愛を持って接していきたいですね!ただ、私たちも親である以前に人であり感情任せになることもあるかもしれません。一人で抱え込まず家族や友人・親戚等に相談したり一人で抱え込まないようにしていきましょう!
⑤下剤の投与
便秘の診断基準は上記で示したとおりです。ただし、私たち一般人には病的な便秘なのか、ただの便秘なのか判断ができません。診断基準は参考にして#8000に電話して相談したり、健康診断や何か受診する機会がある際に相談し下剤を処方してもらうのもいいかもしれません。
⑥綿棒浣腸
また、下剤ではありませんが、綿棒にワセリン等つけて肛門周囲を刺激することで便意を促し排便するように仕向ける方法もあります。一点注意があります。ワセリン等をつけた綿棒を肛門になぞるように行えば問題ありませんが、肛門に入れる場合は腸を傷つけてしまう可能性があるので入れる際は浅めに入れることが大切です。
まとめ
一般的な小児の便秘対策について解説していきました。食事内容・排便リズムの確立(生活リズムをつける)、腸蠕動運動(自律神経を整える)等、見ていきましたが新たな発見があると嬉しいです。
また新生児〜乳児(離乳食開始前後)についての便秘については今後記事を更新していこうとおもいます。小児便秘と一括りにすることはできず、生まれたばかりの赤ちゃんの胃や腸・全身は未熟で成長途中です。腸内細菌も母乳やママ・パパの肌の触れ合い等で形成されていきます。
特に新生児期の便秘は器質的な疾患(腸の構造的な疾患)等、隠れている場合もありますので気になる方は#8000(具体的な内容が知りたい方はこちら)に電話で相談しても良いとおもいます。
適切な知識を身につけ私たちの子供の元気と健康を守っていきましょう!
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