みなさんこんにちは!小児科看護師(5年目)のまろんです!
この前一歳になろうと言う娘が胃腸炎になったので備忘録としてお家でできるケアを調べたのでまとめようと思います。
ちなみに胃腸炎のガイドラインも目を通したのですが基本は脱水の予防です。嘔吐や下痢は無理に止めず排菌を促し周りの人は感染対策を徹底することが記載されております。
どのような子が入院するか
まず、胃腸炎でも入院するような子は基本的に食事が取れず活気がない(=過度の脱水と低栄養)ので入院となることが多いです。
そのため、お家ではなるべくミルクとか飲んで脱水と低栄養予防に努めました。
娘の初期症状は嘔吐でしたので離乳食を一旦中止してミルクを少量で2-3時間起きくらいに与えました。嘔吐は結局2回程度で収まり下痢だけが続く感じでした。
離乳食も開始していたのですがどういった感じで再開するか悩んだところ、モーロりんご療法という両方に行きつきました。参考ページはこちら
モーロりんご療法とは
モーロりんご療法とはすりおろしたリンゴを与える・食べることで水分の補給や糖分の補給ができるというもの。OS-1やポカリ、アクエリなどと同じ考え方です。
下痢や嘔吐で失われた水分や電解質を補い、症状がある中ではなかなか取りづらい糖分を接種することで最低限のエネルギーを確保して脱水と栄養不足を補おうというものです。
りんごには抗酸化物質や食物繊維も含まれており、炎症による酸化を防ぎ食物繊維には善玉菌の餌になるので腸内細菌叢に良い影響を与えます。
そもそも胃腸炎のガイドラインの中身は
一応ガイドラインを覗いてみましょう。※ガイドラインとは多くの文献や論文を専門の人たちが精査をして一般的に使えるかどうか、判断しているものです。
最新の小児急性胃腸炎のガイドラインを覗いてみると胃腸炎の原因は大体ウイルス性のため抗菌薬は意味がなく、治療方法は経口補水療法・食事療法が推奨されており、薬物療法の欄を見てみますと基本的には推奨されてないです。
ガイドラインの薬物療法は
一応要約を載せておきますと、
①プロバイオテックス(いわゆる整腸剤、ビオフェルミンとかラックビー、ミヤBMとか)は下痢の期間を短くすることがあるそう。
また、②乳糖分解酵素薬(乳糖不耐症に使われるいわゆる牛乳とかで下痢をしちゃう人に飲ませると下痢しにくくなる)ミルラクトも下痢の期間を短くする効果があるとかないとか。
②についてはコスト面も考えて積極的に使用しないらしいです。まぁ飲ませても良いかなーくらい。乳幼児の治療費は基本的にキャッシュバックされますし処方する医師の考え次第なところではあります。
最新の胃腸炎予防方法!
治療に目を通して分かる通り、薬で治す…というよりは下痢を早めに抑えて症状を楽にするのがメインです。
こんだけ発達した医療でも対症療法(簡単にいうと症状を緩和させる治療)がメインとは驚きです。それでは予防はどうなんだということで再びガイドラインを見てみましょう。
根拠のある予防方法は2つのみ!
ガイドラインでは二つの予防方法が紹介されております。
一つ目はロタウイルスワクチンを接種すること
二つ目は手洗いの徹底
①
ロタウイルスのワクチン接種は乳幼児の任意摂取で目にすることがあると思います。重症化予防率は90%と極めて高く、子供の腸重積(腸と腸が重なり最悪壊死してしまう取り返しがつかない病気)と関連深くロタウイルスでの予防のみ効果があります。
ただし、ロタウイルスワクチンは弱毒化ワクチンのためロタウイルスを経口摂取します。そのため副反応として腸重積になるかもしれないというリスクを抱えます。弱毒化ワクチンなのでよほど赤ちゃんの抵抗力が落ちていなければ大丈夫ですが、経口摂取した2・3日は嘔吐・血便等に注意し観察が必要です。
②
胃腸炎の根本的な感染方法は接触感染によるものです。特に赤ちゃんの胃腸炎は、親である私たちがおむつを交換する際に手や腕に見えない糞便が付着したりして、それに気づかず汚染された手で食べ物を食べたりして親に胃腸炎がうつります。
胃腸炎に罹った人のものに触る際、罹った人に触れた後、こまめに手洗いを十分に行い感染予防に努めましょう。
ちなみに消毒剤を使用する場合は次亜塩素酸を使いましょう。アルコール消毒ではノロウイルス・ロタウイルスには効果がありませんので次亜塩素酸で消毒です。ミルトンが余っていればそれで良いと思います。
かくゆう私も娘はなりましたが手洗いをこまめにしたお陰で胃腸炎から免れました。他の家族は全滅しましたが…。
まとめ
話が脱線しまくってしまいましたが、冬季に多い胃腸炎です。適切な知識を身につけて予防してそもそもかからないようにしましょう。子供の風邪がうつるのはまだなんとかなりますが、食べ物が食べられないのは嘔吐・下痢・低栄養による疲労…その他諸々、体の抵抗力が落ちて新たに病気に罹るなんて冬の時期にあったら最悪ですので。
特に胃腸炎は家族みんながなると大変ですので適切な知識を用いて感染予防して笑顔あふれる家庭を!
家庭の医学って幸せな家庭を維持するために大事です。必須なくらい。
参考資料
- http://horikodomo-clinic.jp/information/354/
- https://minds.jcqhc.or.jp/docs/gl_pdf/G0001192/4/acute_gastroenteritis_in_children_acute_appendicitis_in_children.pdf
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