この記事では法律で定められている定期予防接種(赤ちゃんが生後2ヶ月ごろから打ち始める)で何を予防しているのかについての解説をします。任意予防接種は任意のため親が打つか打たないか判断する必要があります。定期予防接種は義務ですので打つ必要があります。それでは不活化ワクチンである8つの感染症について見ていきましょう!(2022年4月現在)
定期予防接種
B型肝炎
B型肝炎は言葉の通り、肝臓にB型肝炎ウイルスが感染することで発症します。主に出産時・3歳未満で感染しやすいです。また感染した時の健康状態によって一過性の発症と持続発症に分けられます。肝臓は沈黙の臓器と言われており、症状がで始めるときは重症となっていることがあります。
B型肝炎を発症した後、病状が進むと肝硬変や肝がんのリスクがあります。厚生労働省のデータでは1歳未満が感染すると80〜90%で慢性化し、6歳未満の小児が感染すると30~50%で慢性化すると言われています。
予防接種を受け免疫力を上げリスクを下げていきましょう!
HiB
このワクチンは「ヘモフィルスインフルエンザ菌B型」という細菌の感染症を予防します。この菌は5歳未満の乳幼児に感染し発症します。感染部分は気道に(空気の通り道、口・喉・気管・肺の気管部分)に感染し保有します。
何らかの原因で菌の勢いがつくと、肺炎や敗血症、髄膜炎等を引き起こします。特に髄膜炎は治療が遅れると後遺症が残ってしまう恐れのある疾患です。
予防接種を適切に受けて免疫力を上げて予防しましょう!
小児用肺炎球菌
このワクチンは細菌性肺炎を予防します。また、細菌性肺炎はHiB欄でも説明しましたが気道にも感染します。さらに、小児用肺炎球菌は髄膜炎の原因菌にもなります。
先ほどは髄膜炎に焦点を当てて説明しましたが、子供の肺炎もまた重症化しやすい疾患です。大人と違い空気の通り道が狭く、分泌物や細菌等による空気の通り道が炎症すると空気が通らなくなり窒息のようになってしまいます。つまり酸素が身体に取り込まれず重症化しやすいわけです。
生まれた赤ちゃんは免疫力も未熟であり、適切に予防接種を行い免疫力を上げ抵抗力を上げていきましょう!
四種混合(DPT-IPV),三種混合・ポリオ
まず初めに四種混合は「ジフテリア・破傷風・百日咳・ポリオ」を予防します。三種混合は四種混合のポリオを除いたものになります。そのため「三種混合+ポリオ」のセットとなります。一つずつ見ていきましょう!
ジフテリア
ジフテリア菌が主に喉に感染し毒素を作ります。この毒素は心臓の筋肉や神経に作用し横隔膜などの呼吸抑制・心不全等を起こし重篤な場合は亡くなる事もある怖い病気です。予防接種をすることでリスクコントロールを図っていきましょう!
破傷風
このワクチンは破傷風菌の感染を予防します。主に新生時期に感染しますが、30代以上の成人にも増えてきているそうです。感染源は傷口で毒素を作り神経を麻痺させます。最悪、呼吸ができなくなる病気ですが、予防接種をし適切に免疫力をつけていきましょう!
百日咳
このワクチンは百日咳菌により痙攣性の咳が出ます。1歳以下で特に生後6ヶ月前に発症すると死に至る可能性があります(厚労省より,0.6%程度)。予防接種により85%程度、罹患を予防できます!
ポリオ
このワクチンでポリオウイルスによる感染を予防することができます。ポリオウイルスに感染すると脊髄性小児麻痺を発症します。この病気は5歳以下で発症し麻痺などを起こす病気です。一般的に2~5%が亡くなるとされています。ワクチン接種で99%の十分な抗体を得られ免疫力が上がります!
日本脳炎
このワクチンで日本脳炎ウイルスを予防することができます。日本脳炎ウイルスは蚊を介して感染します。症状は高熱・頭痛・嘔吐などです。時には意識障害・後遺症を残す事もあります。
一般的に1000人に1人、発症した20~40%が亡くなると言われています。予防接種をすることで75~95%リスクを減らすことができるとされています。適切に接種し免疫力をつけましょう!
HPV
このワクチンはヒトパピローマウイルスの感染予防になります。このワクチンは子宮頸がんワクチンとして有名ですね。女性だけではなく男性も受けることが良いとされています。男性側がウイルスを保持していなければ良いという発想ですね。
予防接種による副反応・重症筋無力症がニュースで取り上げられ日本は否定的な人が多いようですが、令和3年度第18回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会によると有意な差はないようです。ニュースは過剰に取り上げその後については何も報道しませんし適切に調べてリスクコントロールを図っていきたいところです。
予防効果は90%程度です。接種することで予防できますので適切に接種して予防しましょう!
任意予防接種
インフルエンザ
このワクチンはいわゆる秋〜冬にかけて流行るインフルエンザを予防するものです。インフルエンザは色々な種類があり、今年流行するだろうと予想される型をワクチンとして製造します。ワクチン接種で5ヶ月ほど予防できるため毎年接種する必要があるわけです。
髄膜炎菌
ここまで記事を読んでくださった方はもう気づいたとおもいますが、髄膜炎菌を予防するワクチンになります。髄膜炎菌は口・気道等の粘膜から血液に侵入し敗血症・細菌性髄膜炎等を引き起こす可能性があります。
髄膜炎菌は日本では少なく海外留学する際は打った方がいいとされています。打っておけば予防できますので適切に接種しリスク管理しましょう!
まとめ
不活化ワクチンによる予防する疾患・感染症について見ていきました。どれも赤ちゃんの免疫が未熟のために打つことで抗体を得て感染を下げる効果があります。要するに元気で健康ですくすく育って成長できるようサポートをしてくれます。病気を起こすことでゆとりのない育児をするか、病気のリスクコントロールを図りゆとりのある育児をするか知識をつけて一つ一つ行動に起こしていくことで得られます。もちろん定期接種は義務ですので打つ必要がありますが、任意についても知識をつけ適切なタイミングで接種しリスクコントロールをしていきましょう!
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