この記事ではミルクの作り方、哺乳瓶の管理方法について解説します。初めて育児をする方を対象としていますが、小児科看護師の視点としてちょっとしたコツを記載していきますので新たな発見があるかも知れません。是非最後まで読んでいただけると幸いです。
人工ミルクについて
人工ミルクの種類
人工ミルクの種類は大きく、粉かキューブに別れます。それぞれのメリット・デメリットをみて特性をつかみましょう。
粉ミルク
メリット
- 粉のため、お湯にすぐ溶ける
- 調乳量を調整しやすい
デメリット
- スプーンですくってすり切るため大変
- 何杯入れたのか分からなくなる
- スプーンを哺乳瓶に入れる際、こぼす可能性がある
キューブ型ミルク
メリット
- 持ち運びしやすい
デメリット
- 塊であるため溶かしにくい
- 量を調整しにくい
簡単なメリット・デメリットでした。上記以外のメリットとしては母乳の補完にもなりますし、母乳には不足しがちな栄養が取れます。さて、それでは作り方を見ていきましょう!
作り方
一般的な人工ミルクのミルク缶の場合、スプーンが中に入っています。ミルク缶に記載があるのでそれを読んでもらい調乳します。調乳する際、手洗いを行って調乳する台は清潔なところで行ってください。哺乳瓶も後述しますが清潔な哺乳瓶を使用してください。雑菌が混入すると容易に胃腸炎等、起こしてしまうため清潔操作が必要です。
手洗いの方法については「防衛力を上げて見えない敵から身を守ろう!簡単にできる感染対策3点!」参照してください。
概ね、人工ミルクについてくるスプーンは1杯分の粉をとり、すり切ると20ml分の粉を取る事が出来ます。キューブ型は1個で40ml作れます。切り込みのところで折ると20mlを作ることができます!
ミルク缶に詳細は書いてあります。買ってからミルク缶を見て調乳しましょう!
哺乳瓶について
哺乳瓶の種類とメリット・デメリットについて
哺乳瓶にはガラス瓶とプラスチック瓶があります。どちらにもメリット・デメリットがあります。
ガラス瓶のメリットは温度が伝わりやすく温めやすいです。一方デメリットはガラス瓶は重く、割れてしまう恐れがあることです。
プラスチック瓶のメリットは軽く取り扱いしやすいです。一方でメリットは温めにくく、傷つきやすいのが特徴です。小さな傷は雑菌が生えやすく清潔に扱うことが大切になります。
哺乳瓶の管理方法
衛生的に哺乳瓶を取り扱うためには手洗いを十分行い、哺乳瓶を消毒する必要があります。哺乳瓶の消毒方法には次亜塩素酸を使ったミルトンが有名ですね。ここ最近では電子レンジを用いた消毒もあります。まずは次亜塩素酸を使った消毒から解説していきましょう。
ミルトンを例に解説させていただきます。水道水に一定のミルトン液を入れることで消毒効果を高めることができます。ミルトンの濃度を決められた濃度にしないと消毒効果が得られませんので記載されている方法で希釈して使ってください。指定された希釈方法で希釈したら食洗用洗剤で汚れを落とし消毒液に1時間程度付け消毒します。ミルトンですと掴みがついてきますので掴みで哺乳瓶を掴み乾燥させてください。掴みで哺乳瓶をつかむ際、手洗いして手を清潔に保ち扱うようにしてください。
電子レンジによる消毒効果は下の参考資料に入れてあります。指定された方法で消毒すれば消毒効果が得られ簡便ですが論文にも記載されているように
マイクロ波に加熱効果以外の特殊な殺菌効果があるかどうかまだ不明であること,マイクロ波照射による温度の上昇は非商社物品の部位によって均一でないこと,などマイクロ波の直接照射による消毒法には多くの検討すべき点が残っている
参考論文
とされています。もちろん、ルール通り使っていれば消毒効果が得られますが、我流だと消毒効果が薄れてしまうことが懸念されるので注意が必要です。
まとめ
人工乳についての基本的な知識を記載してみました。最新の電子レンジを用いた消毒は未だ検討の余地ありという感じですが、我流には注意しましょう。
手間がかかりますが新生児は特に免疫力もなく雑菌に対して弱いです。適切な消毒を行い雑菌の混入を防ぎより良い健康な育児ができるよう頑張りましょう!
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